楽天モバイルは2019年10月4日から6日にかけて、親会社の楽天が冠スポンサーを務めるテニスの国際大会「楽天・ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシップス2019(楽天オープン)」において、第5世代移動通信システム(5G)と仮想現実(VR)を組み合わせた実証実験に取り組んだ。

コート脇からの8K映像をVRで見る

 楽天モバイルは会場となった有明コロシアム(東京・江東)の一角に5G基地局のアンテナを設置し、隣接地に設けた5G体験ブースに向けた。ブース裏に5G受信機を設置したとするが、報道陣には公開しなかった。同社によると、周波数は4.7ギガ~4.8ギガヘルツの100メガヘルツ幅で、基地局のアンテナからの出力は20ミリワット。基地局から受信機までの見通し距離はおおむね80メートルという。

有明コロシアムの外側から見た5Gアンテナ。「シ」のエンブレムの上部にある白色の四角い物体がアンテナ
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5Gアンテナ。同社は5Gにおいて、3.7ギガヘルツ帯ではNEC、28ギガヘルツ帯ではネットワーク機器ベンダーの米エアースパン(Airspan)の基地局を採用する
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5Gのアンテナと制御装置。コートで行われる試合の様子を会場隣接の体験ブースに向け配信する
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5Gアンテナ付近から体験ブースのある方角を見下ろしたところ。アンテナから体験ブースまでは見通し距離で約80メートルという
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 映像ソースは有明コロシアムのコートに据えた2台の8Kカメラである。1台はネット脇に設置した360度カメラ、もう1台は選手後方に置いた180度カメラだ。映像は会場内のサーバールームに置いた映像編集サーバーと、クラウドに置いたストリーミング配信サーバーを経由し、上述の5G基地局が送り、体験ブースの5G端末で受信した。同時に6人の体験者がVRゴーグルで映像を視聴できるようにした。

体験ブースではVRゴーグルで試合観戦する。遅延は数十秒程度
(写真提供:楽天モバイル)
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VRゴーグルで視聴できる試合風景。冠スポンサーであることを生かし、他社の実証実験よりもコートに近い位置にカメラを設置したという
(写真提供:楽天モバイル)
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 5G体験ブースは一般客にも公開した。2台のカメラの映像は、体験者それぞれが握るコントローラーで任意に切り替わるようにした。「8K映像の符号化に時間がかかるため、映像は数十秒の遅延が生じる」(楽天モバイルの内田信行ネットワーク本部副本部長兼技術戦略部長)ものの、試合のある時間帯はほぼリアルタイムの360度映像を視聴できるようにしたという。

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