「空飛ぶクルマ」と呼ばれるような、小型の電動垂直離着陸(eVTOL)機を手掛ける米国の新興企業Kitty Hawkは、新たな機体「Heaviside(ヘビーサイド)」を発表した(Heavisideの公式サイト)。同社CEOのセバスチャン・スラン(Sebastian Thrun)氏が米国サンフランシスコで開催のイベント「TechCrunch Disrupt SF 2019」(2019年10月2~4日)に登壇。この新型機の飛行する様子を収めた動画を流すなどしてアピールした。同氏は、スタンフォード大学から国防高等研究計画局(DARPA)が主催した自動運転の賞金レースに出場して2005年に優勝。その後、米グーグルで自動運転技術の開発を主導してきたことなどから、「自動運転の父」と呼ばれている。

Kitty Hawkが開発中のeVTOL機は、搭載する2次電池の電力でモーターを駆動して回転翼を回す「フル電動型」である。これまで、1人乗りの小型機「Flyer」と、2人乗りの「Cora」を開発してきた(関連記事)。それらに続く第3の機体が、Heavisideになる。同機は、回転翼(ローター)と固定翼を組み合わせた機体だ。

「Heaviside(ヘビーサイド)」を発表。スライドはKitty Hawk
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「TechCrunch Disrupt SF 2019」に登壇したスラン氏。写真は講演後に実施された「Q&Aセッション」で撮影したもの(撮影:日経 xTECH)
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 特徴は、飛行時の騒音が小さいことと高効率な飛行が可能なこと。中でも、「一番重視するのはもちろん、安全性で、その次が静音性だ」(スラン氏)。この方針に基づいて、Heavisideを開発した。講演で紹介した動画には、1500フィート(約457m)の高度を巡航中の騒音をヘリコプターと比較。ヘリコプターの騒音が60dBAなのに対して、Heavisideは38dBAと、「およそ1/100」(同氏)という静かさをウリにする。離陸時の騒音は大きいものの、「非常に短時間なので問題ない」(同氏)との見解である。

「TechCrunch Disrupt SF 2019」の講演会場で流した動画を撮影したもの。1500フィートの高さを巡航しているときの騒音は38dBAと小さいという。
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 もともと、Heavisideのようなフル電動型のeVTOL機は、内燃機関を用いる一般的なヘリコプターに比べて静かである。モーターの方が内燃機関よりも駆動音が小さいからである。ただし、ローターの騒音は大きい。そこで、eVTOL機のローターから生じる騒音を抑制することが、開発のポイントになっている。Kitty Hawkもそこに注力してきた。

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