「トヨタ自動車以外の仕事を増やしていかないと…」。あるトヨタ系部品メーカーの幹部が危機感を打ち明ける。トヨタがグループ以外の部品メーカーからの調達を増やしつつある中で、部品メーカーは海外の自動車メーカーからの受注に活路を求める。

 だが、“脱トヨタ依存”は容易ではない。コスト低減は言うまでもないが、ここへきて重荷となってきたのが、部品の信頼性評価だ。欧州や中国の自動車メーカーからの部品受注を獲得する上で、メーカーや国が策定した評価規格への対応が欠かせない(図1)。

図1 VWの電気自動車(EV)「ID.3」
2019年11月から量産する。(出所:VW)
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 しかも、「電動化や自動運転などが進展する中で、評価する部品の数が加速度的に増えている」(あるトヨタ系部品メーカーの担当者)。多岐にわたる部品を正確に評価するための施設や人材を、部品メーカーが社内で確保するのは困難になってきた。

100人のトヨタ関係者が集結

 デンソーにアイシン精機、豊田自動織機――。こうした危機感を共にするトヨタ系の部品メーカーの開発担当者が集まる場面が2019年9月17日にあった。その数は100人近くで、場所はトヨタのお膝元である愛知県豊田市だ。

 集結した開発担当者たちの目的は、“脱トヨタ依存”に向けた拠点ともいえる試験設備の視察である。装置群を集めて同日に開設したのは、環境試験器を手掛けるエスペック。同社の豊田試験所を、約2億5000万円を投じてリニューアルオープンさせた(図2)。

図2 エスペックが豊田試験所をリニューアル
大型バスを4台用意し、トヨタ系部品メーカーの技術者を迎え入れた。(撮影:日経Automotive)
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 改修の目玉は、ドイツの自動車メーカー5社が2013年に共同制定した品質・信頼性試験の規格である「LV124」の全項目に対応したことだ。ドイツのBMWやダイムラー(Daimler)、フォルクスワーゲン(Volkswagen、VW)などに部品を納入する際には、LV124の評価試験をクリアすることが必要になる。

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