「ポケモンGOで約2兆円の医療費抑制」、ポケモン石原社長が講演

2019/10/04 05:00
高橋 厚妃=日経 xTECH/日経デジタルヘルス

 「Pokémon GO(ポケモンGO)」の世界中のユーザーの歩数の合計は、約2兆円の医療費抑制効果があると計算できる――。ポケモンの石原恒和社長が2019年10月2日開催のイベント「Healthcare x Gamification Forum ~ゲームによるヘルスケアの進化~」で紹介した。

講演するポケモンの石原恒和社長
(写真:日経 xTECH)

 石原社長によると、これまでにポケモンGOの世界中のユーザーが歩いた距離の合計は約230億km。1歩を0.7mと換算すると、その歩数の合計は約32兆8000歩だ。筑波大学の研究チームが、1歩あたりの医療費抑制額は0.061円と報告している。それを基にかけ算すると、医療費抑制額が約2兆円と計算できると紹介した。日本人のユーザーに限ると、約7000億円の抑制額になるという。

 ポケモンは2019年5月の事業戦略発表会で、「ポケモンスリープ」の開発を発表した。ポケモンスリープは、デバイスに内蔵された加速度センサーで眠っている時間を計測し、Bluetooth通信でスマートフォンに転送することが想定されている。石原社長は講演で、「デバイスや通信の進歩があり、実現できるのではないかと思った」と話した。


 またイベントのディスカッションに登壇した際は、睡眠に注目した理由について「人間が必ずやること。睡眠に関してゲームでどのような取り組みができるのかを考えたのが始まり」と紹介。「朝起きるのが楽しくなるゲームにしようと考えている」とも話していた。

ヘルスケア分野のゲーム開発時の課題は

 石原社長は講演で、今後のヘルスケア分野のゲーミフィケーションについて展望を語った。歩数や血圧、心拍数、カロリー消費、睡眠状態などを測定し、ユーザーが遊び心を持って利用できるゲームの開発が広がることを示唆。それに伴うゲーム開発の課題も指摘した。個人情報を扱うことになるため、プライバシーに配慮しつつ、各国のデータ保護規則をクリアしながら開発する必要があることを強調した。その上で、「ビッグデータのAI解析による『健康情報開発』を目的としたゲームの開発は可能性がある。今後、我々のプロダクトやサービスとしてお見せできたらと考えている」とした。

 今回のイベント「Healthcare x Gamification Forum ~ゲームによるヘルスケアの進化~」は、アステラス製薬と横浜市立大学、東京藝術大学が共同で開催したもの。この3者は2019年8月、ゲーミフィケーションを用いた新規のデジタルヘルスケアソリューションの創出や実用化を目指し、産学連携のバーチャルな枠組みである「Health Mock Lab.」を開始した。

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