KDDI、トヨタ自動車、応用地質の3社が技術を結集し、災害時における人や道路、危険箇所の最新情報をまとめて地図で確認できるシステムを開発した。応用地質が2019年8月に提供を始めた「自治体向け災害対策情報提供システム」だ。

 地方自治体は災害対応で多くの課題を抱える。高齢化に伴い、災害時における避難の支援が必要な住民が増加。インフラ施設の老朽化も進み、近年は災害の大規模化や広域化、複合化が目立ってきた。地域防災体制の強化が急務となっている。

3社のビッグデータで総合判断を支援

 KDDI、トヨタ、応用地質の3社は2018年4月にデータ協業で合意。それぞれが持つビッグデータを融合し、防災情報を効率的に収集・分析する手法や災害時の最適な救援手段を推定する手法を検討してきた。災害対策情報提供システムでは、3社がそれぞれ得意とするデータに気象情報などを組み合わせ、自治体に必要な情報をほぼリアルタイムで提供する。

 KDDIはauスマートフォンユーザーの同意の下、個人を特定できないように加工した位置情報や性別、年齢層といった属性情報などで構成する人口動態データを提供する。トヨタが提供するのは、コネクテッドカーから得られるプローブデータを基にした交通情報などである。

 応用地質は自社が開発した水位計や傾斜計、地震計などのセンサーを地域内に設置し、モニタリング情報を提供する。同社経営企画本部の橋本晋一氏は「これらのリアルタイム情報全てを1つの地図に重ねて確認できるシステムは他にない」と胸を張る。

自治体向け災害対策情報提供システムの概要
(出所:応用地質)
[画像のクリックで拡大表示]

 設置するセンサーの種類や場所、個数、システムに表示する情報などは、自治体と協議して決める。導入済みのセンサーの情報、気象庁のような公的機関が提供する情報などを取り込むことも可能だ。個々の情報は画面上の切り替えボタンでレイヤーを選択し、必要な情報だけを重ね合わせて表示できる。

自治体向け災害対策情報提供システムの画面イメージ
(出所:応用地質)
[画像のクリックで拡大表示]

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら