建設現場、特に高層ビルは携帯電話の電波が入りにくい。建設関係者の携帯電話に連絡してつながらないと、「現場にいるのか」と思うことは珍しくない。そんな建設現場の救世主となりそうなのが、無線LANのメッシュネットワークだ。

 西松建設はPicoCELA(ピコセラ)の無線LAN機器を使い、高層ビルの工事現場でLANケーブルを敷設することなく、実用的な通信環境を整えることに成功した。

地上30階建ての高層ビルで検証

 無線LANのメッシュネットワークは、アクセスポイント(AP)を網の目(メッシュ)のようにつないでエリアを構築する技術。複数のAPを経由(ホップ)させることでエリアを効率よく拡大できる。

 西松建設が実証実験に選んだ場所は、地上30階建ての高層ビル。屋上の高さは地上から118メートル、各フロアの中心を吹き抜けが貫いている。2019年4月に検証を始めたときは、低層部が内装工事、高層部が躯体工事の最中だった。

 有線回線とつながった無線LANのAP(親機)は敷地内の仮設現場事務所に設置。そこから先は2つのルートを検証した。

西松建設とPicoCELAが高層ビルの建設現場で実施した実証実験における無線LAN機器の配置イメージ
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 1つは屋上のAP経由で吹き抜け空間を結んでいくルート。親機から屋上端部にあるAPまでの直線距離は122メートル。同じく屋上に置いた吹き抜け近くのAPを介して下のフロアに中継する。一般的な高層ビルの工事は下から順に進んでいくので、同ルートが効率的であることが多い。

 もう1つは、通信が必要な階のベランダに置いたAPから屋内に中継するルートだ。実証実験では地上からの高さ28メートルの9階ベランダ、並びにフロア内や吹き抜け近くにAPを設置した。APは電源コンセントがある場所なら足場や三脚に固定することで簡単に配置できる。

西松建設が建設現場で活用しているPicoCELAの建設土木・防災向け屋外無線LAN機器「PCWL-0410」
(出所:西松建設)
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