企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が高まる一方、DX推進を担う人材確保に頭を悩ませている人は多い。情報処理推進機構(IPA)が2019年4月に公表した「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」では、プロデューサーやビジネスデザイナー、データサイエンティストといった「DX推進人材」は大幅に不足しているという結果が得られている。

DX推進人材の不足感
(出所:情報処理推進機構)
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 各社がDX人材確保に動く中、ユニークな手法で隠れた自社のDXエンジニアを見つけ出している企業がある。それが住友生命だ。同社はグループ内のエンジニアがDXに向くかどうかを数値によって見極め、適性が高い人材を積極的にDXプロジェクトに採用する取り組みを始めた。

 住友生命がDX人材発掘に力を入れるのは基幹システムの刷新を見越してのことだ。同社は健康増進型保険「Vitality」を2018年7月に発売。Vitalityはアジャイル開発手法で開発され、今後の保険商品開発や基幹システム刷新もDX人材が中心となって進めていく予定である。現在稼働するレガシーシステムは縮小し、レガシーを担当してきた人材が余る。もし、レガシーシステムの現場でDX向けの人材がいれば、配置転換によって新しいDXプロジェクトの貴重な戦力になる。

 住友生命の岸和良情報システム部担当部長 兼 代理店事業部担当部長は「Vitalityの開発で感じたのはDXの推進には向く人と向かない人がいること。向く人がDXの仕事をした方が短期間で戦力になる」と話す。そこでエンジニアのDX向け資質・能力・知識量を数値化し、人材を見極める方法を確立できないかと考えたわけだ。

 岸担当部長らが始めたエンジニアの見極め施策には、3つのテストを活用する。具体的には、ネクストエデュケーションシンクが提供する「イノベーティブ人財診断」と「人間力診断」、日本イノベーション融合学会が提供する「ITBT検定」である。

 イノベーティブ人財診断は、好奇心や独創性といったイノベーティブな資質の高さを評価する試験である。新しいものが好きか、現状を良しとしないか、オリジナリティーな志向があるか、といったことを数値として可視化できる。人間力診断は仕事の能力を測る。実行力や計画力、コミュニケーション力、マネジメント力などを判断する。ITBT検定はIT技術のトレンドとビジネストレンドのキーワードを幅広く問う知識検定である。

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