出退勤時間は自己申告で「打刻」するのが当たり前――。そんな勤怠管理の「常識」を覆すクラウドサービスが登場した。ITサービス開発ベンチャー企業、ソニックガーデンの子会社であるラクローが2019年8月末に提供を始めた「ラクロー」だ。

 「納品しない受託開発」や「社員全員リモートワーカー」などで知られるソニックガーデンの子会社らしく、コンセプトは固定概念にとらわれていない。ラクローは「打刻レス」をうたい、メールやクラウドなど業務システムの利用ログを基にして、実態に合った正確な労働時間を自動的に記録する。

 2020年春には残業時間の上限規制が中小企業にも広がり、企業にとって正確な労務管理は待ったなしだ。ごまかしのきかない勤怠管理クラウドサービスを導入した企業にとっては、労働時間を記録する手間を省けるだけでなく法令順守の姿勢をアピールできるメリットもありそうだ。

Office 365やSlackのログから労働時間を算出

 ラクローは利用企業の業務システムと連動して従業員のシステム利用ログデータを取得する。従業員が業務システムを使い始めた時間と使い終えた時間をそれぞれ始業と終業の時間として、労働時間を自動的に算出する。従業員や管理者は自動算出された労働時間と利用ログを確認し、実態と異なる部分があればコメントを付けたうえで修正し、勤怠記録を確定する。

「ラクロー」の勤怠管理画面
(出所:ラクロー)
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 パソコンの利用ログのほか、グループウエアやビジネスチャットのクラウドサービスから利用ログを取得する。具体的には電子メールの送信日時やカレンダーに登録したスケジュール、ビジネスチャットの送受信履歴などだ。

 現在連携できるクラウドサービスはグループウエアの「G Suite」と「Office 365」、ビジネスチャットの「Slack」である。人事労務の「freee」とも連携できる。対象のクラウドサービスについては順次増やす計画だ。利用料金は利用者1人当たり月額300円(税別)である。

 現状の勤怠管理の手法は、従業員の自己申告を基本とするケースがほとんど。勤怠管理システムに毎日の始業時間と就業時間を従業員が入力したり、出勤時と退勤時にタイムカードを押したりする。手入力は従業員の記憶に頼るうえ、意図的に内容を変えられるため入力内容が実態とかい離しやすかった。

 ラクロー社の岩崎奈緒己社長は「ラクローを使うと打刻や記憶に頼った時刻入力が不要になり、勤怠管理を効率化できる」とする。自動記録したログに基づいて労働時間を算出してから、従業員や管理者が実態との差を確認してコメントを追記したり補足したりできるため、「より実態に近い勤怠管理を実現できる」(岩崎社長)。

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