ちぎれた南端は「まくれ上がり」

 一方、分断された島の南端では、強風でフロート架台がまくれ上がり、ロールケーキを巻くように上側に折り重なっている(図9)。

図9●分断されて南端になった端は上にまくれ上がっており、パネルの裏側が見える
(出所:日経BP)
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 これまでも国内の水上メガソーラーでは、台風よる被害があった。例えば、昨年、大阪府大阪狭山市のため池に設置された1.99MWの水上メガソーラーでは、フロート架台が台風21号による強風でまくれ上り、733枚が反り返る形になった。

 これまでの水上太陽光発電所の被災では、こうした「島」の端が強風でまくれ上がるというケースがほとんどだった。そのため、その対策として島の外側のフロートに水を入れて重くするなどして、「めくれ上がり」を防ぐ措置などを採用してきた。

 今回の山倉ダムサイトの台風被災では、島端の「めくれ上がり」とともに、係留ワイヤーが機能しなくなり、大規模に「島」が押し流されるという事態になった。今後、係留ワイヤーや湖底アンカーの強度設計をさらに強くするなどの対策が必要になりそうだ(図10)(図11)。

図10●奥の島と分断された付近
(出所:日経BP)
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図11●分断された付近の被災前の様子。もともとは1つの島だった
(出所:日経BP)
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 ただ、ため池管理者の立場からは、湖底の構造を大規模に改変したくない面もあり、重りを沈めて係留ワイヤーをつなぐケースもある。勢力の強い台風が頻繁に上陸するなか、水上メガソーラーの安定運用には、施工面の工夫や技術革新が期待されそうだ。

出典:メガソーラービジネス、2019年9月13日
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