「島」が3つに分断

 「千葉・山倉水上メガソーラー発電所」は、もともと約5万枚の太陽光パネルをフロート架台に固定して連結させ、1つの大きな「島」を形成して、池の北側に浮かべていた。

 被災後の状況を見ると、この「島」が3つに分断され、そのうちの「最大の島」が北側の岸に向かって押し流され、一部が岸にぶつかって止まっている。流された部分は、「島」全体の3分の2程度にもなると思われる(図5)。

図5●1つの「島」が3つに分断され、青い丸の部分は残り、黄色丸の部分が北に押し流された
(出所:京セラ提供の画像に日経BPが説明を加えた)
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 同発電所では、パネルの「島」が風で移動しないように、フロート架台を400本以上の係留ワイヤーで、湖底に固定したアンカーに繋いでいた。アンカーの引き抜き強度を確保するため、試験施工を繰り返した上で、施工したという。最大風速41.5m/秒にも耐えられるよう係留ワイヤーの強度を確保したとしていた。

 今回の台風15号では、千葉市で最大瞬間風速50m/sを超える強風を記録していた。山倉ダムでも、池を囲む並木の一部が南側に倒れたり、太い枝が折れたりしていることから、最大瞬間風速は50m/sを超えていた可能性がある。こうした想定を超える強風に一部の係留ワイヤーとアンカーが耐えられずに損壊して風に押され始め、機能しているワイヤーにつながる島部と引っ張り合いになり、ついには島が分断され、糸の切れた凧のように流されたと見られる(図6)。

図6●一部は岸まで押し流された
(出所:日経BP)
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 山倉ダムの水深は最大で10mを超える。もともとワイヤーは、季節による水面高さの変動にも対応できるように余裕を持たせている。流された島でも一部のワイヤーが機能していた可能性もあり、その部分が湖底側に引っ張られ、そこを起点に架台が折り重なるように損壊した可能性もある(図7)。

図7●後ろの架台から押されて、前の架台に乗り上げて折り重なった可能性も
(出所:日経BP)
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 岸に近い島の北端ではフロート架台が下側に潜るように折り重なっているように見える。これは、機能しているケーブルに引っ張られたからとも考えられる(図8)。

図8●北端は水面下側に架台が巻き込まれている
(出所:日経BP)
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