ザインエレクトロニクスは、変換効率と放熱特性を高めた降圧型DC-DCコンバーターモジュールを3製品発売した(ニュースリリース)。最大出力電流が6Aの「THPM4301A」と、8Aの「THPM4401A」、12Aの「THPM4601A」である。同社は2016年12月に、DC-DCコンバーターモジュール市場に参入し、第1弾製品として「THV81800」を発売した(関連記事)。この第1弾製品で重視したのは負荷過渡応答特性だった。同社独自のDC-DCコンバーター制御技術「Transphase」を採用することで、「業界最高水準の負荷過渡応答特性を達成した」としていた。

 第2弾となる今回の新製品では、変換効率と放熱特性を重視して開発した。変換効率は、同社従来品に比べて変換効率を2ポイント以上高められる。放熱特性については、パッケージの1カ所だけ高温になるホットスポットの発生を避けられるため、温度ディレーティングが必要なケースを最小限に抑えられるとする。AIプロセッサーやFPGAなどに電力を供給するPOLコンバーターに向ける。具体的な応用先は、医療用電子機器や半導体テスター、半導体検査装置、計測機、分析機器、通信機器、放送/映像機器、FA機器、産業用ロボットなどである。

専用インダクターを開発

 一般に、DC-DCコンバーターの変換効率を高めるには、回路構成や制御方式を工夫してスイッチング損失やデッドタイム損失を低減したり、MOSFETなどのスイッチング素子やインダクターで発生する損失を削減したりすることが効果的だ。しかしMOSFETでの損失低減については、技術的に成熟しており、これまで以上に大幅に減らすのは難しい。そこで今回は、インダクターに注目した。インダクターでの損失を減らすには、直流抵抗が小さいインダクターを採用すれば良いが、外形寸法が大きくなってしまうという課題がある。市場で入手できる汎用品を採用していたのでは、ユーザーである電子機器メーカーが求める外形寸法に収めるのは難しい。そこで今回は、DC-DCコンバーターモジュールに最適なインダクターを電子部品メーカーと共同で新規開発した。

 開発したインダクターは、形状に特徴がある。インダクターの形状は直方体である。この直方体の片側半分に巻線コイルを埋め込んだ。さらに、その隣にはくぼみ(キャビティ)を設けて、ここにDC-DCコンバーターICやコンデンサー、抵抗器などを実装した基板の一部をはめ込んだ。こうすることで降圧型DC-DCコンバーターモジュールが完成する。

 この形状を採用した理由は2つある。1つは、太い巻線が使えることである。採用した巻線は平角線で、通常の丸線よりも断面積が大きくなるため直流抵抗を小さくできる。このため、一定のインダクタンスを確保しながら直流抵抗を低減し、変換効率を高めることに成功した。

新製品の内部構成。ザイン・エレクトロニクスの資料
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