カナダのブラックベリー(BlackBerry)の会長兼CEOジョン・チェン氏は2019年9月11日、自動運転やコネクテッドといったこれからの自動車開発には、AIで利用者の振る舞いなどを学習させて柔軟にセキュリティーを確保する「ゼロトラストのコンセプトが重要になる」といった考え方を示した(図1)。この手法を基に同氏は、「車のセキュリティーの健全性を監視・確認するアプリケーションを開発中だ」と述べる。

 ブラックベリーが開催した「BlackBerry World Tour Japan 2019」で説明した。

図1 ゼロトラストの考え方が重要
カナダのブラックベリー(BlackBerry)の会長兼CEOジョン・チェン氏。これらかの自動車開発には、AIを活用した「ゼロトラストの考え方が重要になる」と述べる。(撮影:日経Automotive)
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 ゼロトラストとは、セキュリティーを確保する際に何も信用せず、総合的な判断を基に信頼性をその都度確認するといった考え方だ。

 例えば、ある情報にアクセスする人に対して、使用する端末、ネットワークの環境、使用時間帯、閲覧しようとしている情報の内容、アクセス地域など、複数の条件を総合的に判断する。アクセスが可能な端末であるか否か、ネットワーク環境は適正か、情報を閲覧する権限があるか否かといった条件を基に、アクセスできる情報を制限したり、アクセスを拒否したりといった柔軟なセキュリティーポリシーの運用ができる。

 ブラックベリーはこのゼロトラストの考え方を、AIを活用することでより柔軟に対応できるようにして、車のセキュリティーで活用する方針だ。

不具合を想定しての対応が必要に

 ジョン・チェン氏によると、自動運転やコネクテッドといった今後の車の開発では、ソフトウエアのプログラムなどで大量にソースコードが生じ、その精査が課題になるという。

 複数の開発会社が関わることでソースコードの行数は1億行を超えることも考えられる。これらのソースコードは複雑に組み合わされて車に搭載するだけでなく、OTA(Over The Air)によるソフトウエアの更新機能が組み込まれることで、常にコードが更新される。

 このような状況下では、「ある程度の問題や不具合があることを想定した上での対応が必要だ。開発されたソースコードを精査して出荷前に安全を担保するだけでなく、車が使用されている状態でも動的に精査することが求められるようになる」とチェン氏は述べる。

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