「総務省もソフトバンクが何かやってきそうだと分かってはいただろうが、こんなに早く仕掛けてくるとは想像しなかった」(通信業界関係者)――。ソフトバンクが2019年9月9日に発表したスマホなどの割引プログラム「半額サポート+」は業界内で驚きをもって迎えられた。10月1日に施行される改正電気通信事業法で総務省が打ち出した、端末の過度な割引を抑制する方針に真っ向から対抗する内容だったからだ。

半額サポートは封じられたが…

 半額サポート+は、端末の本体価格に対して最大半額相当分の割引を適用する割引プログラムだ。端末を48回の分割払いで購入し、24回分の支払いが終わった2年後以降にソフトバンク指定の別の端末へ買い替えると、それ以降の旧端末の残債が免除される。24回分の支払いが終わった直後に買い替えれば、残債の免除額が最大の24回分になることを指して「半額」分の支払いをソフトバンクが「サポート」するというわけだ。

2019年9月9日の記者会見で「半額サポート+」を発表するソフトバンクの榛葉副社長
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 プログラム名からユーザーの支払額が半額になるような印象を受けるが、そうはならない。別途、同プログラムの利用料として月額390円の支払いが必要なほか、残債の免除を受けるには旧端末をソフトバンクに返却する必要があるためだ。

 半額サポート+が登場したのは、ソフトバンクが2017年9月から提供してきた旧割引プログラム「半額サポート」について、総務省から待ったがかかったためだ。改正電気通信事業法では通信サービスの利用者に対し、端末の販売に当たって過度の割引を提供することを禁止。同法施行規則では、通信サービスの継続利用を条件としない場合でも端末割引の上限を税抜き2万円と定めた。

 米アップルの「iPhone」のような高額端末に半額サポートを適用すると、端末の下取り価格を加味しても残債の免除額が2万円を超えるため違法となる。端末の過度の割引は原資となる通信料の高止まりを招きユーザー間の不公平につながるほか、割引余力のないMVNO(仮想移動体通信事業者)が不利になり、健全な競争環境を阻害する――。そんな総務省の執念が実り、半額サポートは封じられたかに見えた。

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