「どこにいるか分からない外回りの営業担当者をすぐに呼び出せるツール」「女子高生にとって重要なコミュニケーションツール」。1980年代後半から1990年代にこんなツールとして普及した「ポケットベル(ポケベル)」が2019年9月30日、ついに姿を消す。

東京テレメッセージが2019年9月に終了させるポケベルサービス「ページャ」の端末
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 この日で終わるのは東京テレメッセージ(東京・港)が東京、埼玉、神奈川、千葉で提供してきた無線呼び出しサービス「ページャ」だ。1986年に無線呼び出しサービス専業の通信会社として発足して以降、提供し続けてきた。

 1968年に日本電信電話公社(電電公社)が始めたポケベルサービスは当初、「外出している営業担当者をすぐに呼び出せる」という特徴に企業が目を付け、導入が進んだ。1990年代に入ると、テレビドラマ「ポケベルが鳴らなくて」が大ヒットしたことで、女性がプライベートで連絡を取るツールとして一気に注目が集まり、女子高生にまで広がった。1996年、東京テレメッセージの加入数は1000万を超えた。

 しかしその後、携帯電話やPHSといった音声通話ができるモバイル通信サービスが普及したことで、文字のやりとりしかできないポケベルの利用者数は激減。NTTドコモが2007年にポケベルサービスを終えた後も、東京テレメッセージが最後のポケベルサービスとしてページャを提供し続けてきた。現在の利用者数は1500を下回っている。

 ページャを終える理由を東京テレメッセージの清野英俊社長は「同じ無線技術を使った別の事業に経営資源を集中するためだ。その事業は人命に関わるものなので、決して潰すことはできない。そのためにも不採算事業のページャから撤退する必要があると判断した」と説明する。実はポケベルを支えた電波を意外な用途で再活用して事業を進めているのだ。

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