2019年10月1日の消費増税を控え、軽減税率やポイント還元など新たな制度へのシステム対応が必須になっている。POSシステムのように消費者向けのシステムだけでなく、会計や販売管理などバックオフィスのシステムでも消費税率変更に伴うシステム更改が必要になる。「会計関連ではマイナンバー開始以来の大きな制度変更への対応になる」とSCSKの大八木智ビジネスソリューション事業部門ProActive事業本部ビジネス推進部第一課新規事業開発室第一課マネージャは話す。

 ERP(統合基幹業務システム)パッケージベンダーや、会計ソフトベンダーも10月を前に対応を進めている。ERP「ProActive E2」を開発販売するSCSKは制度変更の半年前である4月から順次、ProActive E2に消費税率変更に向けた機能を追加して顧客に対して提供している。「7月、8月が導入支援のピークだった。残りの顧客も9月中には更改が完了する見込みだ」(SCSKの山下英雄ビジネスソリューション事業部門ProActive事業本部カスタマーサポート部第二課長)という。

 会計SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)「freee」を提供するfreee(東京・品川)も消費増税に向けた機能の提供を進めている。新税率である10%の税区分を追加したほか、新たに必要となる請求書の方式への対応機能を追加済み。9月中に新税率の適用を自動的に判定する機能などを加える予定だ。

10月に向けた改修のポイントは3つ

 会計ソフトの観点から見た場合、2019年10月の消費増税に対して対応が必要な機能は大きく3つある。10%という新たな税率の追加、軽減税率を扱う処理の支援、そして区分記載請求書の作成機能だ。一般的なERPパッケージでいえば、会計機能のほか、販売管理機能が大きく影響を受ける。

 消費税率10%の追加はパッチの適用といった更改作業が不要な場合もある。税区分に10%を設定すれば済むからだ。注意が必要なのは2つ目の軽減税率が適用されることだ。税区分を8%から10%に変更するだけでなく、8%を維持しながら10%の消費税率を適用する必要がある。

 旧型のPOSシステムでは複数の消費税率を設定できないケースが発生しているが、中堅中小向けから大企業向けの会計や販売ソフトはユーザー企業が自由に設定できる項目を用意していることが多い。複数税率を扱えずに会計ソフトを変更するといったケースは少ないとみられる。

 ポイントになるのは複数税率の扱い方だ。SCSKのProActive E2の場合はエンドユーザーが税率の入力を間違えないように、各科目に対して標準の税率を設定する。軽減税率が適用されるかどうか曖昧な科目は、実際の伝票を見ながら入力の担当者が実態に合わせて税率を修正する方法を想定している。

 会計や販売管理システムで更改が必要になるのが請求書の様式だ。軽減税率の適用と同時に「区分記載請求書等保存方式」と呼ぶ新たな請求書の様式での請求書の発行が必要になる。区分記載請求書は、軽減税率の適用対象品目や、税率ごとの合計請求額などを記載する必要がある。

ProActive E2が用意した区分記載請求書の例
(画像提供:SCSK)
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