過当競争状態のスマートフォン決済サービスに新顔が加わる。日本郵船の「MarCoPay(マルコペイ)」だ。2019年7月に、物流事業などを手掛けるフィリピンのTransnational Diversified Group(TDG)と合弁で新会社MarCoPayをフィリピン・マニラに設立。新会社を通じて、2020年1月を目標にサービスの提供を始める。

(画像提供:日本郵船)
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 MarCoPayはスマホアプリでQRコードを使って電子決済や送金ができる点では他のサービスと同じ。違うのは、特定のユーザー層を対象とした「ニッチペイ」であることだ。貨物船などで働く外国人船員とその家族向けに決済や送金のほか、給与支払いの機能を提供する。当初は日本郵船が保有する船で船長や乗組員として働くフィリピン人や中国人、インド人など約6000人を対象とする。

 船員はMarCoPayを通じて、船上で給与を電子通貨で受け取る。電子通貨の単位は海運の基軸通貨である米ドル。船員はこの通貨を船内の売店、寄港地の加盟店での購買や家族などへの送金に使える。陸上のATM(現金自動預け払い機)で現金に替えることもできる。

 MarCoPayを実現するに当たり、米Citigroupと提携。国際送金やATMでの現金引き出しにCitiの仕組みを使っている。「安全性や法対応を踏まえて、裏側はレガシーな仕組みにした」と、日本郵船デジタライゼーショングループ デジタル・ガレージチーム チーム長の藤岡敏晃氏は説明する。藤岡氏は新会社MarCoPayでCEO(最高経営責任者)を務めている。システム開発にはアクセンチュアが協力した。

「中間層の鏡」を抱えるのが強み

 「10年越しの課題だった船上現金の問題をようやく解決できる」。藤岡氏はMarCoPayの意義をこう語る。

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