「空飛ぶクルマ」と呼ばれるような、小型の電動垂直離着陸(eVTOL)機を手掛ける米国の新興企業Kitty Hawk CEOのセバスチャン・スラン(Sebastian Thrun)氏が2019年8月28日(現地時間)、自動車技術のイベント「Drive World Conference & Expo」(2019年8月27~29日、米国サンタクララ)の基調講演に登壇し、空飛ぶクルマのインパクトを解説した。

講演するスラン氏(撮影:日経 xTECH)
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 同氏は、かつてスタンフォード大学から国防高等研究計画局(DARPA)が主催した自動運転の賞金レースに出場し、2004年の初大会でリタイアしたものの、2005年に優勝している。その後、米グーグルに転じ、先端研究部門「グーグルX」の初代トップを務め、同社で自動運転技術の開発を主導していた。こうした背景から、スラン氏は「自動運転の父」と呼ばれている。実際、自動車部品を手掛けるある大手メーカーの社員は、「スラン氏は自動運転業界のスーパースター。このイベント(Drive World Conference & Expo)に来たのも、彼の基調講演を聞くため」だと話す。

 講演では、スラン氏が関わってきた自動運転技術の開発の歴史を振り返った後、現在Kitty Hawkで開発に取り組むeVTOL機の特徴や、移動手段に用いた際の利点などについて語った。

 Kitty Hawkが開発中のeVTOL機は、搭載する2次電池の電力でモーターを駆動して回転翼を回す「フル電動型」である。機体は大別して2種類。1つは、2人乗りの「Cora」である。垂直離着陸用に小型の回転翼を12個備える。推進時は、固定翼で揚力を得つつ、後ろ側に配置した中型の回転翼1つで進んでいく。速度は時速180kmほどで、およそ30分の連続飛行が可能。航続距離は約100kmだとする。

Cora(出典:Kitty Hawk)
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 もう1つは、1人乗りの「Flyer」である。10個の小型回転翼を備える。操縦席部分の左右に、フロート(浮舟)が付いている。このフロートに、2次電池やインバーターを備える。最高時速は20マイル(約32km)ほど。状況によるが、10分ほどの短時間のフライトを想定している。購入者(操縦者)に対する訓練施設を、ラスベガスに構築済みである(関連記事)。既に2万5000回以上のフライトに成功している。

訓練施設内で飛行するFlyer(撮影:日経 xTECH)
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