ソニーはヤマハ発動機と組み、エンターテインメントに特化した小型電気自動車(EV)「SC-1」を開発した(図1、2)。特徴は、ウインドーの代わりに液晶ディスプレーを搭載していること。広告やコンテンツを表示するなどして、人を運ぶ以外の面で付加価値を高めれば、次世代の移動サービス「MaaS(Mobility as a Service)」の収益力を底上げできそうだ。

 乗車定員は5人で、最高速度は19km/h。自動走行を想定する。ソニーとヤマハ発は2019年度中にも、ゴルフ場や娯楽施設、商業施設などで運用サービスを手掛けていく考えだ。現段階で車両を一般販売する予定はなく、あくまでサービスで稼ぐビジネスモデルを描く。

図1 ソニーがヤマハ発動機と共同開発した「エンタメ車両」
ウインドーの代わりに液晶ディスプレーを搭載し、広告やコンテンツを表示する(出所:ソニー)
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図2 車内向けに49インチの液晶ディスプレーを搭載する
カメラで撮影した映像にイラストを重畳させて表示する(出所:ソニー)
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 「車両を通して新たな楽しみを提供する」――。ソニーの広報担当者がこう語るように、エレクトロニクスだけでなく、ゲームや映画といった同社の強みであるコンテンツ事業のノウハウを盛り込み、新たな車両として仕上げている。

 搭載する液晶ディスプレーは計5台で、いずれも、高精細の4K映像に対応したものである。乗員が見る車内向けのディスプレーは49インチで、フロントウインドーの位置に1台載せている。広告やコンテンツを映す車外向けのディスプレーは55インチ。車両の前後左右にそれぞれ1台ずつ搭載している。

カメラ映像とイラストを重畳

 周囲の状況は、イメージセンサー5個、カメラ2台、2次元LIDAR(レーザーレーダー)1個、超音波センサーで検知する。イメージセンサーは、ディスプレーと同じく車両の前後左右に各1個搭載し、車内向けにも1個設置した。35mmの「フルサイズ」CMOSセンサーで、ソニーが展開するミラーレスのデジタル一眼カメラ「α(アルファ)」シリーズの高性能モデルと同水準の性能を持つ。カメラやLIDAR、超音波センサーでの検知を組み合わせることで、車両の周囲を高精度で把握する。

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