欧米諸国で、自治体、ユーティリティ会社、電力会社などが所有する道路の街灯をIoT(Internet of Things:モノのインターネット化)によってネットワーク化する「スマートストリートライティング・プロジェクト」が増えている。道路の利用者である自動車や自転車、歩行者が必要な時にだけ光量を増やすように制御するなどインテリジェント化することで、省エネとCO2削減を図る狙いがある。

図1●サンタンデール市の公園におけるスマートストリートライティングの事例
(撮影:日経BP総研 クリーンテックラボ)

 スマートストリートライティングの基本は、各街灯のLED照明などの電源にコントローラーを設置すると共に、電力線通信や無線通信によってネットワーク化する。

 コントローラーには、クラウド上にあるコントロールセンターから制御信号を送る。各街灯には、自動車の通行を検知し無線機能を搭載したセンサーノードを設置して、その情報をゲートウエイ経由でコントロールセンターに送り、自動車が通る時だけ街灯の光量を増やすといった制御をすることで、街灯の電力消費量を下げる。

 特に欧州では、EU(欧州連合)が、2020年までに1990年比でエネルギー需要を20%削減することを各国・都市に求めている。都市におけるエネルギー消費量の40%は街灯であるとみられることから、各国自治体が街灯のスマート化に取り組み始めた。

LED照明との組み合わせで60%の省エネ効果

図2●街灯に設置された歩行者を検知するセンサーノード
(撮影:日経BP総研 クリーンテックラボ)

 例えば、欧州を代表するスマートシティプロジェクトを進めるスペイン・サンタンデール市では、同市が管理する公園などの街灯に歩行者を検知するセンサーノードを設置し、通行時だけ街灯の光量を上げ、不在時には光量を下げる制御を行っている(図1、2)。こうしたスマート化によって、「約30%の省エネ効果があることが確認された」と同プロジェクトの担当者は語る。

 さらに、同市は2年前から、街灯の光源を従来のナトリウムランプからLED照明に順次置き換えており、スマート化とLED化の両方を合わせると、「約60%の省エネ効果がある」としている。

 欧州ではこのほか、デンマーク・コペンハーゲン市が、市内約2万の街灯をLED照明に変えると共にネットワーク化する実証を進め、ノルウェー・オスロ市も6万5000の街灯をスマート化する計画である。

 英国グラスゴー市は、スマートシティプロジェクト「Future City Glasgow」で、IoTによって市内各地に設置したセンサー情報を集めて一元管理するプラットフォームを構築している。その中で、街灯をLED化すると共に、オペレーションセンターから最適制御することにより、省エネとCO2排出量の削減を図っている。街灯には今後、騒音や人の足音をモニターするさまざまなセンサーを設置する予定で、騒音を検知すれば、その部分の照明の照度を上げて、カメラでズームアップして交通事故や犯罪などが起きていないか監視するなど、市民の安全性を高めることも狙っている。

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