「アップル、中国最大手のスマホ用有機EL採用」――。アップルが2020年に販売するiPhoneで、中国・京東方科技集団(BOE)製有機ELパネルの採用への最終調整に入ったと、日本経済新聞が2019年8月22日付の朝刊で報道した。

 果たして、BOEの有機ELパネルは、iPhoneに採用されるような実力を持ち合わせているのだろうか?

 iPhoneの有機ELパネルは現在、ほとんどが韓国サムスンディスプレー製である。同社は、親会社の韓国サムスン電子がアップルよりも10年早くスマートフォンに採用した有機ELパネルの供給をほぼ一手に引き受けており、競合他社に対して圧倒的な技術の蓄積を持つ。一方、BOEがスマートフォン用の本格的な有機ELパネル工場を立ち上げたのは2017年。それから、まだ2年しかたっていない。

図1 BOEの有機ELパネル
2019年5月の学会・展示会「SID」では、折り畳み型の有機ELパネルも披露した(撮影:日経 xTECH)
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 結論から言うと、BOEの有機ELの実力は急速に高まっており、20年発売のiPhoneに採用される可能性は十分にありそうだ。「中国の有機ELは立ち上がっておらず、歩留まりはほぼ0%」という話も聞くが、少なくともBOEについては、そのようなことはない。

 「BOEは、17年の工場稼働からしばらく立ち上げに苦戦していたが、18年第4四半期から急激に製造歩留まり(良品率)が向上した」と、業界関係者は口をそろえる。それまで10%程度だった歩留まりが、30~40%に急上昇したという。BOEはファーウェイ(華為)から大量の受注を獲得、スマートフォン「MATE 20シリーズ」向けに有機ELを供給することに成功した。

 19年に入っても、BOEの攻勢は続く。19年上期はファーウェイのスマートフォン「P30シリーズ」で有機ELの受注を獲得。ファーウェイは当初、韓国LGディスプレー製を中心に有機ELを調達する考えだったが、BOEがLGをしのぐ勢いで供給に成功しているもようだ。

 画質の向上も著しい。19年5月に米国で開催されたディスプレー最大の学会・展示会「SID」に参加した日本のある有機EL専門家は、BOEのブースに展示されていた有機ELについて、「数年前とは全く違い、格段にレベルが上がっていた」と語る。

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