米Cerebras Systemsは2019年8月19日、世界最大の半導体チップ「Wafer-Scale Engine(WSE)」を発表した。チップの寸法は21.5cm角で、A4大の紙の3/4という大きさである。主に深層ニューラルネットワーク(DNN)で利用する積和(MAC)演算などに向けたもので、トランジスタ数は1.2兆個、オンチップのSRAMは3000個超で計18Gバイト分を実装している。製造は台湾TSMCの16nm世代のプロセスを用いた。300mmウエハーから“切り出した”とするが、21.5cm角では1ウエハーから1チップしか取れない。

[画像のクリックで拡大表示]
Cerebras Systemsが開発した”AIチップ”
右下のチップは、現時点で最大のGPU製品(米NVIDIA製) (写真:Cerebras Systems)

 WSEは超多コアのチップでもある。MAC演算の処理単位となる「Sparce Linear Algebra(SLA)」コアは40万個。各コアの寸法は約0.33mm角で、DNNの演算を最も得意とするが、同時に高いプログラム性を備え、機械学習のさまざまなアルゴリズムを実行できるとする。

 上下左右に隣接するコア同士は同社が「Swarm communication fabric」(Swarmは群れ)と呼ぶインターコネクトで密結合させている。2つのコア間の伝送容量は約125Mビット/秒、40万個すべてでは計100ペタ(P)ビット/秒と非常に大きい。伝送遅延も低いとする。

コア間のインターコネクトのイメージ
(図:Cerebras Systems)

 これらのインターコネクトを介することで、SRAMによるオンチップメモリーにはすべて1クロックで到達できるとする。ただ、これはクロック周波数が1GHzより遅いことを意味する。21.5cm角という大きさでは、光の速度でもチップの端から端まで信号が届くのに最短で1GHzの1クロック分かかるからだ。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら