IoT(インターネット・オブ・シングズ)やAI(人工知能)を活用して都市の活動を最適に制御するスマートシティ。企業や自治体による個別の取り組みが熱を帯びる半面、国を挙げた統合的な仕組みづくりは不十分だった。国際競争に負けない魅力ある都市の構築を目指し、政府は2019年8月8日に官民一体でスマートシティ関連事業を推進する母体となる「スマートシティ官民連携プラットフォーム」を始動させた。

パナや清水建設など473団体が集結

 同取り組みの核になったのは2019年6月に閣議決定された、分野横断で科学技術の革新を目指すための指針「統合イノベーション戦略2019」である。スマートシティ官民連携プラットフォームの事務局は内閣府や総務省、経済産業省、国土交通省が務め、開始時点で産学官の473団体が参加した。

スマートシティ官民連携プラットフォームの構成。2019年8月8日時点で473団体が参画する
(出所:経済産業省)
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 内訳は企業などが305団体、大学・研究機関が43団体、地方公共団体が113団体、関係府庁や経済団体などが12団体である。その中にはスマートシティ開発に熱心なパナソニックや清水建設など大手企業も名を連ねる。参画を希望する団体は今後も受け付ける方針だ。

 各府省は既にスマートシティに関する事業を推進している。例えば内閣府はサイバー空間とフィジカル空間を融合する「Society5.0」の実現に向け、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期 ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術におけるアーキテクチャー構築及び実証研究」を進めている。

 経産省は「パイロット地域分析事業」、国交省は「新モビリティサービス推進事業」などの実証実験に取り組んでいる。こうしたなか、スマートシティ官民連携プラットフォームは各府省や地方のコンソーシアムが個別に進めていたプロジェクトから得た知見を連結する「車軸」の役割が期待される。

知見を横展開する機能に期待

 スマートシティ官民連携プラットフォームの主な役割は「事業支援」「分科会」「マッチング支援」「普及促進活動」の4つである。事業支援ではスマートシティ関連事業に取り組む会員に対して、各府省が資金とノウハウの両面で支援する。マッチング支援ではスマートシティ実現に資する技術や知識を広く横展開できるように、課題の解決策を提供できる団体とスマートシティ事業とを結び付ける。

スマートシティ官民連携プラットフォームの取り組み内容。参画企業は「事業支援」や「分科会」に期待を寄せる
(出所:経済産業省)
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 分科会は会員同士を引き合わせる取り組みだ。「交通」と「医療」など異分野の連携から生まれる新しい技術やサービスを使って、スマートシティに関連する課題の解決策を探る。分科会で得られた知見は会員間で共有するだけでなく、普及促進活動を通じて会員外にも幅広く横展開する。

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