「デジタルデータを使ってお客さまが自動車事故に遭われた場合の当社側の対応能力を飛躍的に高めた。お客様の負担はかなり下げられる」――。あいおいニッセイ同和損害保険の樋口昌宏専務は2019年8月9日にAI(人工知能)に始めた自動車事故の対応サービス「テレマティクス損害サービスシステム」の意義をこう強調する。

あいおいニッセイ同和損害保険の樋口昌宏専務
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 新サービスは自動車の車載カメラの映像や加速度センサーのデータ、位置情報データなどをAI(人工知能)で分析することで、事故時の状況を素早く正確に把握し、保険金の早期支払いや相手との示談交渉などに生かす。ITを駆使して顧客の利便性を高めつつ、業務の効率化も図る考えだ。

支払いまでの日数が半分に

 一般的に、自動車事故を起こした場合、運転手が自ら保険会社に連絡して事故時の状況などを説明する。あいおいニッセイ同和損保の新サービスではこの手間が減る。車載装置が加速度センサーの検知データなどから「事故を起こした」と判断すると、車載カメラの映像を同社に通知するからだ。

 さらにカメラで撮影した動画などから事故の相手がどの程度のスピードで走行していたかといった事故時の状況をAIなどで分析し、過失割合の判断や示談交渉などに生かす。こうしたデジタル技術の活用により、事故から保険金支払いまでの日数を従来の75日程度から約半分の30日程度に短縮できるという。

新サービスの開発における7社の役割
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 あいおいニッセイ同和損保は同サービスを野村総合研究所(NRI)やSCSK、富士通、日本IBMのIT大手4社を含む7社と共同で開発した。サービスのお披露目会見には各社の役員がずらりと並んだ。

新サービスの開発に携わった各社の役員
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 NRIがシステム全体のコーディネートを手掛け、SCSKは加速度センサーのデータから事故を検知する機能の構築を、日本IBMはAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)連携基盤の構築を手掛けた。あいおいニッセイ同和損保の投資額は総額20億円に及ぶ。

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