デンソーの子会社であるデンソーウェーブは2019年8月8日、QRコードの誕生から25周年を記念したイベントを開催した。QRコードの開発者である同社の原昌宏AUTO-ID事業部主席技師らが登壇した。スマートフォン決済をはじめ用途が拡大するなか、生みの親が語った進化の方向性とは。

 「社会での活用はまだ始まったばかりだ」。イベントの冒頭でデンソーウェーブの杉戸克彦会長兼CEO(最高経営責任者)はこう話し、QRコードを使った本人確認や新規分野における活用など、今後期待する技術や方向性を明らかにした。

 デンソーがQRコードを開発したのは1994年。当初の用途は自動車部品の生産管理だった。特許を無償開放したことやスマートフォンの普及が追い風となり、電子チケットやキャッシュレス決済など「我々も想像しなかったスピードで世界中に広がった」(杉戸会長)。

デンソーウェーブ「QRコード25周年 記念PRイベント」に登壇した同社の杉戸克彦会長兼CEO(最高経営責任者)
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 現在は金融や交通など新たな分野での活用が進む。例えば鹿児島銀行と沖電気工業が2019年4月から試行するATMでは、本人確認に顔の情報を格納したQRコードを使っている。暗証番号に加えて、ATMに設置したカメラなどで本人確認ができないと取引できないため、セキュリティーの向上につながるとされる。

 2019年10月からは都営地下鉄が浅草線新橋駅のホームドア開閉システムに導入する。車両の扉にQRコードを貼付。車両が駅に着くと、駅のホームに設置したカメラが扉部分のQRコードを読み取ってホームドアを開閉する。車両やホームドアに通信制御機器を取り付ける従来の方法に比べ導入費用や期間が少なくて済むという。

当日はスマートフォンにQRコードを送りドアの鍵として利用する技術のデモも展示した
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 QRコードの名前の由来は「Quick Response」。文字通り高速で読み取りできることを示す。格納できる文字数(数字)は最大約7000文字と、バーコードの350倍だ。ひらがなや漢字といった日本語も格納できる。コードの一部が汚れたり破損したりした場合でもデータを復元できる機能を持つ。

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