アマダホールディングスと同社傘下のアマダオリイ(本社神奈川県伊勢原市)は、サーボプレス機を用いてヘリカルギア(はすば歯車)を冷間鍛造で製造する新工法「フルードパルス鍛造法」を開発した。プレス・板金技術の展示会「MF TOKYO 2019」(2019年7月31~8月3日、東京ビッグサイト)のアマダオリイのブースで、サンプルを展示するとともに実演のデモンストレーションを披露した。同工法の開発に当たってはSUBARU(スバル)が協力しており、現在共同特許を出願しているという。

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図1 冷間鍛造で成形したヘリカルギア(左)
炭素鋼S10Cを成形したもの。成形後の寸法は外形23mm、内径7mm、高さ17mm。母材(右)の寸法は外形17.6mm、内径9.2mm、高さ25.8mm。加工後は中心部を中ぐり加工し、上面に切削加工を施して形を整える。右はデモンストレーション用のサーボプレス機「SDE2025iIII」。(写真:日経 xTECH)

 フルードパルス鍛造では、[1]中空の円筒形母材を金型(ダイ)内にセットして油を充てんし、[2]クランクモーションによる連続加圧でプレス加工(1次加工)する。次に、[3]サーボプレス機の機能を生かして金型(パンチ)を上下に振動させながら断続的に圧下する「パルスモーションプレス」で2次加工する。これによりヘリカルギアを1工程で製造できる。

図2 ダイ中に油を充てんする
油は潤滑とともに母材の材料流動を制御する役目がある。(資料:アマダHD)
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 アマダオリイプレス営業部の山本 一氏によると、母材は次のように変形するという。[2]の1次加工時では、母材が高さ方向につぶれるとともに、円筒内の油の圧力によって材料が外側に流れる。このとき太鼓状に中央部が膨らんだ形状になる。[3]の2次加工で断続的に圧下すると、最初はつぶれながら材料が母材の中心軸方向に向かって流れる。これは円筒内が完全に油で充てんされていないためである。しかし、円筒内に残っている油の逃げ場がなくなると、今度は逆に材料が外周方向に流れる。こうして最終的にダイに押しつけられて歯が形成される。「油ではなく水でも同様の加工が可能」(山本氏)という。

フルードパルス鍛造の様子

(撮影:日経 xTECH)

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