ソフトバンクグループ子会社で、CPU(Central Processing Unit)コアをはじめたとした各種IP(Intellectual Property)コアを開発・提供する英アーム(Arm)は、IPコアの新たなライセンス方式「Arm Flexible Access」を発表した(ニュースリリース)。新ライセンス方式によって同社のIPコアを利用したIC/SoC(System on a Chip)の開発の敷居を下げることで、ソフトバンクグループ代表取締役会長 兼 社長の孫 正義氏が打ち立てた「1兆個のデバイスをつなぐIoT(Internet of Things)」(関連記事1)の実現を加速するという。

 Armの通常のライセンス方式では、まず、各IPコアにアクセスするためにライセンス費用を支払う。そして、そのIPコアを使ってIC/SoCを設計する。設計が完了し、そのIC/SoCを製造する際には、チップごとにロイヤルティー費用を払う。ライセンス費用やロイヤルティー費用は個々のIC/SoCで異なるため公開されてはいないが、かなりの金額になるようだ。

 そこでArmは、新興のファブレス半導体メーカーなどを対象に、実質的にライセンス契約が不要な「DesignStart」と呼ぶライセンス方式を2005年に開始した(関連記事2)。その後、DesignStartにはいくつかのバリエーションが加わったが、アクセスできるIPコアが限られるなど、制約が多かった。

3つのライセンス方式を比較。今回、中央の「Flexible Access」が新たに加わった。Armの表
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 一方、今回のFlexible Accessライセンスでは、年会費(7万5000米ドルまたは20万米ドル)を払うことで、多数のIPコアをアクセスできる。例えば、CPUコアに関しては「全製品の75%をアクセスできる」(Arm)。また、GPUコアやオン・チップ・インターコネクトのIPコア、セキュリティー処理向けIPコアなどのIPコア、スタンダードセル(フィジカルIP)、設計用ツール、設計サポートサービスなども利用可能である。正式なライセンス費用は設計完了時/製造開始時(いわゆるテープアウトの際)に支払う。すなわち、Armの複数のIPコアを評価してからチップ開発を始める、という形でのIC/SoC開発が現実に可能となる。なお、ロイヤルティーは通常のライセンス方式と同じくチップごとに支払う。

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