NTTとKDDI、ソフトバンクの通信大手3社の2019年4~6月期決算(国際会計基準)が2019年8月7日までに出そろった。

 携帯電話の料金値下げや競争激化に備えた対策費用の増加などでNTTとKDDIが営業減益となり、高収益を支えてきた携帯電話事業の変調が鮮明になった。増益を確保したのは「ワイモバイル(Y!mobile)」などのサブブランドが加入者増を下支えしたソフトバンクだけである。

 政府が強く推し進める携帯電話料金の引き下げ促進策の本格的な影響はこれからだ。2019年秋には楽天が携帯電話事業に新規参入し、競争環境がより厳しくなる。3社の携帯電話事業は7~9月期以降、さらに試練の時を迎えそうだ。

ドコモは利益還元を強化、通期でも減収減益予想

 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社で見ると、ドコモは減収減益、KDDIが増収減益、ソフトバンクが増収増益となり、特に最大手のドコモで業績悪化が目立った。

携帯大手3社の2019年4~6月期決算(▲はマイナス)
企業名売上高(前年同期比)営業利益(前年同期比)
NTTドコモ1兆1592億円(▲1.5%)2787億円(▲10.1%)
KDDI1兆2461億円(2.0%)2558億円(▲11.4%)
ソフトバンク1兆1648億円(5.8%)2688億円(3.7%)

 NTTグループの連結売上高のうち約4割を占めるドコモの決算は、売上高が前年同期比1.5%減の1兆1592億円、営業利益が同10.1%減の2787億円。

 減収の大きな要因は2つある。2017年6月に導入した「docomo with」などの低料金プランに加入者の移行が進んだことと、端末の低価格化も進んで端末販売額が落ち込んだことだ。利益面ではネットワーク関連費用などの営業費用が増加したことが減益要因に働いた。

決算を説明するNTTドコモの吉沢和弘社長
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 ドコモは2019年6月に導入した新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」により、最大4000億円を利用者に還元するとしており、売上高や営業利益への影響はこれから本格化する。新料金プランの申込件数は2019年7月23日時点で375万件と「予想よりわずかに少ないが、おおむね順調だ」(吉沢和弘社長)という。

 ドコモは2020年3月期の通期見通しについても、料金値下げの影響で売上高が前期比5.4%減、営業利益が同18.1%減と減収減益を予想している。

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