タイミングを逃さずに新製品を市場に投入するため、多くの企業が「モジュール化」に取り組んでいる。ただ、実際に行ってみると、思っていたほどの効果が得られない場合がある。なぜ、うまくいかないのか。失敗しないモジュール化のポイントを、iTiDコンサルティングが事例を基に解説する(日経 xTECH編集部)。

モジュール化でリードタイム短縮やオペレーションミス抑制

 モジュール化とは、あらかじめ準備したユニット(部品の集合体)や部品を流用・組み合わせて新しい製品をつくる手段です。同じ時間で多品種の製品をタイミングよく市場に投入できるため、売り上げの増加に寄与できます。また、共通のモジュールは製品間で共有できるため在庫数を削減でき、各製品の生産数量の変動に柔軟に対応できます。

 加えて、モジュール化による部品管理、例えばBOM(Bills Of Materials:部品表)への登録・修正などは、大量の製品・部品を扱う際に発生しやすい無駄や手戻りを抑制できます。もちろん、製品開発において新規に開発・設計するユニット・部品はどうしても生じますが、その量を最小化している状態が、「よくモジュール化された状態」といえるでしょう。

急成長の過程でBOM管理に大量の無駄が発生

 iTiDコンサルティングが支援したある顧客は、高品質な製品を開発し、日本市場で売り上げを増やしていました。そして海外市場に展開するために、各国の多様な要求や法規に合わせて製品を開発し、数年間で投入する機種を増やした結果、売り上げが急増しました。

 一方、機種数の増加に伴って、ユニット・部品の仕様違い(バリエーション)やオプション部品が増加して開発・設計工数が足りなくなってしまい、人員を増やすことで対応しました。その結果、部品の設計担当者があいまいになり、担当の不在もしくは複数存在することになりました。

 このように、部品を管理できないことで設計外の部署へ悪影響が生じます。

 例えば試作・評価の段階では、部品の手配漏れや複数手配などの無駄な業務の多発やレイアウトの制約によって、大規模な設計のやり直しが発生します。ときには、試作・評価の段階で部品が抜けていることに気付かず、市場での問題に発展することもありました。

 この顧客は、BOM管理担当者が毎回いろいろな担当に聞いて回るという対策をとりましたが、その部品に関わる全ての設計者が「前の機種のときは他の担当だった」などと回答しました。そこで、関係者を集めて確認する対策を行いましたが、時間がかかりすぎてやり切れない状態になりました。

 部品の調達段階では、同じ仕様の部品を異なる業者から購入したことにより、評価数が増加しました。また、部品の共通化が不十分であったため、コストダウンを効果的にできていませんでした。

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