トヨタ自動車は燃料電池(FC)バスの「SORA(ソラ)」を部分改良し、2019年8月から発売する(図1)。コネクテッド機能を追加し、信号機を始めとする道路設備や他車両と情報を共有する「つながるバス」に進化させた。生産はトヨタ子会社の日野自動車が担う。主に都市部での運用を想定し、慢性的な課題と化した道路混雑による運行遅延の解消を図る。ただ、新機能の実力を発揮するためには、道路設備などのインフラ整備が不可欠だ。

図1 トヨタ自動車は燃料電池(FC)バス「SORA」を部分改良した
写真は2018年3月に発売した初代モデル(撮影:日経 xTECH)
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 トヨタは新型ソラを、「安全性ならびに輸送力、速達や定時性を向上させたモデル」(同社)と位置付ける。その実現のために追加したのが「ITS Connect」と呼ぶシステムだ。ITSとは、高度道路交通システムのこと。技術の大半は日野といすゞ自動車が共同開発したもので、一部トヨタも開発に参画した。ITS Connectによって追加した機能は大きく3つある。

 第1に、路車間の通信システムだ。信号機などの道路装置と車両を通信でつないでソラが情報を受け取る。ソラに近づく対向車や歩行者の有無、信号情報などを受け取り、インパネ部分にイラストを表示するなどして運転者に注意喚起する。

 例えば、車両が赤信号に接近しても運転者がアクセルペダルを踏み続けていた場合に注意を促す。また、赤信号に変わるタイミングを検知して減速を促す仕組みを備えた。青信号に変わった際の発進の遅れを回避できるように、赤信号の残り待ち時間の目安を表示したりもする。

 第2に、車群情報の提供サービスがある(図2)。同様の機能を搭載する車両が同一車線上で列を成した際、車群を構成する車両台数や順序、車群長さなどの情報を集計し、信号やバス停で車群が分断することなく走れるようにする。車群は、車車通信とミリ波レーダーを使って認識する。

図2 コネクテッド機能を追加して道路設備や他車両と情報を共有する「つながるバス」とした
(出所:トヨタ自動車)
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