金融庁が地方銀行などを対象に、システム投資の実態調査に乗り出すことが分かった。戦々恐々としているのは調査される地銀だけではない。勘定系システムを開発、運用、保守するIT大手も同様だ。地銀の「無駄遣い」、ITベンダーから見たら「割高な実態」が明るみに出る可能性がある。

やり玉に挙がる「自前主義」

 地銀にとって勘定系システムの維持コストは頭の痛い問題だ。地銀のIT関連予算は上位行で年間100億円規模、中位行で同50億円規模で、うち3割を勘定系システムの維持コストが占めるとされる。

 銀行はシステム装置産業であり、制度対応やセキュリティー対策などに一定の新規コストがかかり続ける。それだけに、規模が小さいほど負担が相対的に重くなる。

 金融庁が地銀のシステム投資の実態調査に乗り出すと、真っ先にやり玉に挙がりそうなのが、自前の勘定系システムを使う地銀だ。勘定系システムを他行と共同利用する地銀と比べて、システムコストが相対的に割高に映る可能性が高い。

勘定系システムを共同化していない主な地銀を担当するITベンダーのシェア(日経 xTECH調べ)
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 例えば島根銀行だ。本業の稼ぐ力を示す「コア業務純益」が2019年3月期まで3期連続で赤字の同行は、経費率が100%を超えており、他行と比べても高い。

 勘定系システムの開発、運用、保守は日本IBMにアウトソーシングしているものの、他行と共同化してはいない。経費率が100%に迫る福島銀行も勘定系システムの共同化には踏み切れていない。

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