ベトナムIT最大手のFPTが日本の自動車産業向け事業を加速させている。傘下のFPTジャパンホールディングスは2019年7月、愛知県刈谷市に新たなソフト開発センターを開設。約60人のソフト開発技術者で立ち上げ、2019年末までに100人規模に拡大する計画だ。

 2018年には愛知県豊田市にソフト開発拠点を設置済み。自動車関連メーカーの集積地に充実した開発体制を敷き、コネクテッドカーや自動運転技術によって高まるソフト開発技術者ニーズの受け皿になりたい考えだ。

トヨタが500人規模で超高速開発

 「ローコード開発の技術者育成に力を注いでいる」。FPTのチュオン・ザー・ビン会長は近年の取り組みをこう語る。ローコード開発とはコーディング不要でアプリケーションを開発する手法で、超高速開発とも言われる。FPTは、ポルトガルのアウトシステムズ(OutSystems)が提供する「OutSystems」を扱えるソフト開発技術者を2020年にも日本市場向けに1000人規模でそろえる腹づもりだ。

FPTのチュオン・ザー・ビン会長
[画像のクリックで拡大表示]

 強気の人員拡大に動く背景には勝算がある。「トヨタ自動車がOutSystemsを採用しており、既に500人規模の需要がある」とFPTは明かす。

 自動車業界だけにとどまらず、航空業界やエネルギー業界など国内各社からも「100人規模で受注している」(FPT)という。OutSystemsのライセンス販売を手掛ける日本のITベンダーは複数あるが、「開発体制を100人単位で提供できる会社は当社以外にない」(同)と言い切る。

 高まる需要を前にFPTは300人の体制を構築済み。さらなる増員を急ぐが、「日本全国で需要は高まっており、1000人規模でも足りない可能性がある」(同)。

日本語が話せるブリッジSE、1800人でも「足りない」

 FPTはもともと、ベトナムの安価な人件費を生かしたオフショア開発で日本事業を成長させてきた。2019年10月には日本法人であるFPTジャパンホールディングス自身が来日ベトナム人を対象とする日本語専門学校の運営に乗り出す予定だ。

 これまでもベトナムの複数の日本語学校と組んで1800人を育成してきたが、スピードが遅いと判断した。日本語が話せるブリッジSEを大規模に抱え、人材不足にあえぐ日本企業の需要を満たす。

 昨今は、コスト競争力以外の強みも模索している。ローコード開発への注力はその1つ。デジタル領域でも積極的な動きを見せ始めた。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら