筋肉を測って認知症予防、ヘルスケアベンチャーと東大の“筋肉教授”がタッグ

2019/08/05 05:00
宇野 麻由子=日経 xTECH

 ヘルスケアベンチャーのヘルスグリッドは、健康情報を活用したサービスの事業化を目的とする社会連携講座を東京大学内に開設した。筋肉の研究を専門とする同大学 教授の石井直方氏らと共に、自治体や企業からデータを収集し、主に筋機能に関するサービスや利用価値の高いデータの構築を目指す。

 ヘルスグリッドは、生体情報の解析・評価技術や健康経営向けサービスなどを手掛けている。このほど、石井氏が拠点長を務める東京大学 スポーツ先端科学研究拠点に社会連携講座「健康ダイナミクス学社会連携講座:エビデンス・ベースド・ヘルスケア」を開設した。研究期間は3年間。

健康に関する情報流通を目指す
将来の生活習慣病リスク予測などに活用できるデータ収集を目指し、同時に筋機能の向上によるリスク回避策も検討する(撮影:日経 xTECH)
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東大の協力を得て実用化を進める
講座設置の目的(撮影:日経 xTECH)
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将来の医療費予測へ

 ヘルスグリッドでは「生涯健康銀行」として、日常的な生体情報や定期的な健康診断情報を蓄積し、同社の開発する「トータルアセスメント(TA)技術」などを活用して分析し、価値化するプラットフォーム事業を進めている。個人に向けて将来予測から行動変容を促すといった健康維持サービスを提供するほか、企業に向けて従業員の健康状態と自社業績への関連性を解析するといったサービスを想定する。また、医療費削減や労働できる年齢の引き上げに向けた実証データ、食品業界などに向けた製品開発情報としても活用できると見込む。

 同社の分析・評価(スコア化)に関わる奈良県立医科大学 MBT(医学を基礎とするまちづくり)研究所教授の梅田智広氏は「健康分野におけるウーバー(ウーバーテクノロジーズ、Uber Technologies)やエアビー(エアビーアンドビー、Airbnb)的な存在はない。サービス化を見据えて、客観的な指標ツールを提供する必要がある。100%の精度を期待するのは時間もコストもかかってナンセンスだ。医療の手前でできることを増やし、今困っている人に情報を提供することのほうが重要だ。死亡リスク予測のほか、将来の医療費予測などもやっていきたい。一方で、バイタルサインは日常的な変化もあり、どのデータをどんな頻度で取得するか、取得するデータをどれだけ絞れるかが肝になる。生活習慣病などは遺伝子よりも行動の影響が大きい。それを記録して特徴を見抜き、要素間の相関関係を探っていきたい」とした。

「ボディスコア」の例
各種データから身体年齢を算出する(撮影:日経 xTECH)
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