米Apple(アップル)の「iPhone」は2007年の発売(日本は2008年)から10年強、世界のスマートフォン市場を牽引してきた。現在もトップブランドであることは間違いない。そのブランド力で高価格戦略を維持しつつ、顧客のつなぎ止めに成功している。iPhoneへの買い替えなら、同じiOSのため使い勝手はほぼ変わらず、iCloudの活用で設定引継ぎの煩わしさを省くなどの環境を整えていたからだ。

iPhoneは既に「目標」ではない

 しかしiPhoneは、もはや機能面で他社のハイエンドスマホに先んじているとは言えない。韓国Samsung Electronics(サムスン電子)が先行した有機ELディスプレーや、Huawei Technologies(ファーウェイ)の高性能カメラなど、パーツ単位で比べてもそれは明らかだろう。しかも両社のハイエンドスマホはその一芸にのみ秀でているわけではなく、トータルバランスも高い。かつてはiPhoneがAndroid陣営の目標でありベンチマークであったが、そうした時代は既に終わっている。

 そしてAppleにとって、最先端のブランド力と高価格戦略維持のためには“iPhone 5G”が欠かせないはず。だが、2019年秋のタイミングには間に合わない。米Intelの5Gチップ開発遅れはその一因であろう。Samsungや韓国LG Electronicsが2019年4月に市場投入している中で、“iPhone 5G”の発売は2020年秋と1年半遅れることになりそうだ。

 このところAppleは、端末に内蔵するCPUやGPUなどのメーカを買収しチップの内製化に向けた手を打ってきていた(関連記事)。Intelのモデム事業を手に入れて5G端末開発へ、というのはその一連の流れにある。しかし、手中に収めたのは出遅れの要因となったIntelのモデム事業であり、この買収でiPhoneがHuaweiやSamsungのスマホに「追いつく・追い抜く」というシナリオは短期的には描きにくい。

5G時代の「ポストスマホ」に欠かせない

 しかし、5G時代を見据えると、スマートフォンの在り方そのものを変えるかもしれない外部要因があることを指摘しておきたい。

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