「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)という言葉だけが新しくても意味がない。利用者目線で必要なことを実現し、官民一体でモビリティー改革を推進していく必要がある」。高速バス大手のWILLERが2019年7月に東京都内で開催した「MaaS Meeting 2019」の冒頭あいさつで、観光庁の田端浩長官はこう述べた。

WILLERが主催した「MaaS Meeting 2019」の登壇者。前列右から4人目が村瀬茂高代表取締役、5人目が観光庁の田端浩長官
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 「交通産業は100年に一度の変革期」と位置付けるWILLERは、鉄道・バス・タクシー・カーシェアなどの輸送手段をシームレスに結び付けて交通の利便性を高めるMaaSの取り組みを深めるため、官民の関係者を集めてMaaS Meetingを初めて開催した。観光行政トップの田端長官は3時間半ほどのイベントに最後まで参加。熱心に聴講し、他の参加者とも精力的に意見交換していた。

 一民間企業のイベントながら、田端長官の他に、三重県の鈴木英敬知事、東京都豊島区の高野之夫区長、JR北海道の島田修社長、自動運転技術で先行するシンガポールのSTエンジニアリング自動運転部門トップであるLee Shiang Long氏、トヨタ自動車の小型電気自動車開発部門トップの谷中壮弘氏ら官民のキーパーソンが集結。約600人が詰めかけた会場は熱気に満ちていた。新興企業ながらMaaS分野をリードしようとするWILLERの意気込みが強く表れていた。

空間・時間・経済の空白を埋める

 WILLERの村瀬茂高代表取締役は同イベントで独自のMaaS構想を語った。「アプリを作ることだけがMaaSではない。移動を変える、体験を変えるということをやっていきたい。特に、地方の課題解決のためにMaaSを活用したい」と強調した。

WILLERの村瀬茂高代表取締役
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 具体的には「既存の公共交通機関を補完し、空白を埋める新たな移動サービスを提供したい」(村瀬代表)とした。その「空白」とは、「空間」「時間」「経済」の3つ。既存の路線バスが走らないような空間的空白の地区をカバーし、1時間に1本ではなく乗りたいときに乗れるようにして時間的空白を埋める。さらにタクシーより安い料金にして経済的空白をなくす、というのが基本構想だ。

WILLERが描くMaaS構想
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