「早ければ2019年8月にも不服申し立てをするつもりだ」(大正製薬 取締役 常務執行役員 セルフメディケーション研究開発本部 通信販売事業推進部・薬制部担当の高橋伊津美氏)――。2019年7月4日に消費者庁は、光触媒を使用したマスクの販売事業者4社に対して、景品表示法に基づく措置命令を実施した。この措置命令を受けた4社のうち、措置命令を不服としていた大正製薬が、2019年7月下旬に開催された取締役会で不服申し立てをすることを正式に決めた。

消費者庁が2019年7月4日に発表した措置命令のリリース
(写真:日経 xTECH)
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 消費者庁から措置命令を受けたのは、DR.C医薬とアイリスオーヤマ、大正製薬、玉川衛材の4社である。各社は光触媒で花粉などを分解するといった機能をマスクに搭載したとして、「花粉を水に変えるマスク」(DR.C医薬)や「光の力で分解するマスク」(アイリスオーヤマ)、「光触媒で分解!」(大正製薬)、「光で分解」(玉川衛材)などと製品に表示した。これらの表示が「実際のものよりも著しく優良であると示すもの」として、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められると指摘された。

措置命令を受けた各社の製品
(出所:消費者庁のリリースを日経 xTECHが撮影)
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 4社のうちアイリスオーヤマは措置命令の前の2019年6月30日に販売を停止しており、措置命令後に「一般消費者に対して実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものでありました。この度の違反については、発売前の光触媒に対する検証が不足していたこと、効果に対して誤認していたことが原因でした」(アイリスオーヤマ)とのコメントを発表した。DR.C医薬と玉川衛材も措置命令後に出荷を停止している。DR.C医薬は、パッケージの表現を適切なものに変更して2019年末にもリニューアル品を発売する計画だ。

各社の対応
(出所:消費者庁と各社の資料、取材から日経 xTECHが作成)
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 ただし、DR.C医薬と玉川衛材は、「表現が事実と異なっていると積極的に事実認定されたものではありません」(DR.C医薬)、「本製品の光触媒効果自体が否定されたものではありません」(玉川衛材)と、光触媒の効果については自信を見せていた。このうちDR.C医薬は、措置命令の「内容を精査したうえで、今後の対応等を検討して参る所存です」としており、対応を検討中である。一方の玉川衛材は2019年7月27日に「お詫びとお知らせ」を公表し、「一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものでした」とした。

 4社のうち唯一、措置命令後も出荷を継続していたのが大正製薬だった。措置命令を受けた2019年7月4日には「今回の措置命令の指摘事項は、当社が消費者庁に提出した科学的根拠を全く無視した内容で、合理的なものでないと考えております。今後、法的に採り得る対応・措置を検討中です」(大正製薬)とのコメントを発表し、消費者庁との対決姿勢を鮮明にしていた。さらに2019年7月12日には「消費者庁による措置命令に関する見解」とする文章を公表した。

 そして大正製薬は、2019年7月下旬に開催された取締役会で不服申し立てをすることを決定した。準備を進めて、早ければ同年8月にも申し立てをする計画だ。同社は現在も製品を販売中で「取りやめるつもりはない」(高橋伊津美氏)とする。

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