米ガートナー(Gartner)は世界の2019年半導体市場予測を第1四半期時点の「前年比3.4%減の4580億米ドル」から今回、「前年比9.6%減の4283億米ドル」に引き下げると発表した。半導体ではDRAMを中心に在庫が積み増してリーマンショック後の2009年並みのレベルに達しており、DRAMの価格は2019年内に42.1%下落すると予測する。以前から米中貿易摩擦の影響は織り込んでいたが、5月に発表された中国・華為技術(ファーウェイ、Huawei Technologies)への禁輸制裁措置を加味するなどして、下方修正に至ったとする。

半導体市場の予測グラフ
(グラフ:ガートナーのデータを基に日経xTECHが作成)
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 もともと、DRAMやNANDといったメモリーは需要の減少が見込まれていた。2023年まで、スマートフォンは機能向上の鈍化と買い替えサイクルの長期化に伴って、台数は16億台を上回ることなく頭打ちになると予想する。さらにハイパースケールデータセンターの需要も伸び悩んでいる。ここにファーウェイへの禁輸措置などの米中貿易摩擦の深刻化・長期化が加わったことで、さらに予測が悪化した状態だ。

中国系ハイパースケーラーの需要減

 第1四半期の予測の段階では、米中貿易摩擦はありながらも緩和に向かうとの前提に立っていたという。しかも、今後も状況は変わり得るとする。今回の予測条件を締め切った後、米国は中国のスパコン大手、曙光信息産業(中科曙光、Sugon、スゴン)なども「エンティティー・リスト(EL)」に加えている。ファーウェイとスゴンが禁輸制裁措置を受けることで、アリババ集団(Alibaba)、テンセント(Tencent)、バイドゥ(Baidu)といった中国系ハイパースケールデータセンターを必要とする企業のサーバー調達が困難になり、さらに需要が落ち込む可能性があるからだ。

 一方、DRAMなどのメモリーを中心に半導体の在庫は積み増している。2001年のITバブル崩壊後や2009年のリーマンショック後には在庫が多過ぎる状況になっていたが、ここ数年、メモリー業界は寡占化が進んだためか需要と供給がうまくバランスしていた。それが2018年から急激に積み上がっているという。現時点でもDRAMの在庫増加とハイパースケールベンダーの需要回復鈍化により、DRAMの供給過剰が2020年の第2四半期まで続くと予想している。

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