三菱UFJ銀行が「eKYC(Know Your Customer)」サービスに乗り出した。2019年5月30日、同行が手掛ける銀行API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)群に「本人確認サポートAPI」を追加。取り扱いを開始した。

 「想像していたより、随分早いタイミングだ」。あるFinTech関係者はこう述べる。eKYCを巡っては、メルペイやLINE Payが自社サービスで実装済みだが、金融機関が外部事業者向けに提供する例は初めてとみられる。金融機関にとって、有力なビジネスモデルになるかどうかの試金石になる。

金融機関以外も対象に

三菱UFJ銀行が提供する本人確認サポートAPIの利用の流れ
(出所:三菱UFJ銀行の資料を基に本誌作成)
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 本人確認サポートAPIの使い方は以下の通り。KYCを実施したい事業者はユーザーからアカウント開設の申し込みを受け付ける際に、本人確認書類の提出を求める。さらにユーザーの同意を得た上で、三菱UFJ銀行のインターネットバンキング「三菱UFJダイレクト」のAPIをコール。住所、氏名、生年月日といった本人特定事項の情報を取得する。

 本人確認書類の内容と照合し、問題がなければ本人確認作業をオンラインで即時に完了できる。転送不要郵便を発送する手間などが不要になるため、新規ユーザーの獲得率向上につながるほか、事務コストを減らせるメリットがある。

 三菱UFJ銀行は、eKYCサービスを提供する対価として一定額を課金する予定。利用事業者が増えれば収入増につながるとともに、「これまでリーチできていなかった利用者との接点を創出できる」(三菱UFJ銀行)と見込む。2019年5月時点で、アコムやカブドットコム証券、ウェルスナビなどが検討している。

 ターゲットに据えるのは、犯罪収益移転防止法(犯収法)の対象となる金融機関だけではない。ライドシェア事業者や民泊事業者などでは、ユーザーによる不正を防ぐため一定の本人確認を実施したいというニーズが高まっているとされる。三菱UFJ銀行は、幅広い分野でeKYCの需要があると見込んでいる。

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