「成長事業の乗っ取りだ」──。アスクルの岩田彰一郎社長がヤフーへの不信を会見で訴えれば、ヤフーはこれを真っ向から否定。同じ日に反論の声明を発表し、「求めたのは岩田社長の退陣だけ。経営の独立性は守る」と応じた。

記者会見で経緯を説明したアスクルの岩田彰一郎社長
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 2019年7月17日に表面化したヤフーとアスクルの対立。翌7月18日には両社の事実認識や主張がさらに食い違う展開となってきた。ヤフーはアスクルの業績が低迷した責任が岩田社長にあるとして、経営の若返りを求めている。

 ただし、新社長の選任はアスクルに任せるとして、ヤフーが経営に深く関与することは否定した。対立のきっかけとなった日用品の個人向け通販事業「LOHACO」も現体制を維持すべきだという。その説明からは、ヤフーがアスクル再建のシナリオをどう描いているかが全く読み取れない。

 岩田社長に退任を迫ったヤフーの川辺健太郎社長の狙いは本当に社長交代だけなのか。それとも社長交代後にヤフーが段階的に経営への関与を深める別のシナリオを描いているのか。どちらにしてもヤフーの経営改革を急ぐ川辺社長は、社長就任から2年目で大きな試練を迎えている。

「LOHACO事業の譲渡は求めていない」

 アスクルの岩田社長は2019年7月18日に記者会見を開き、対立の経緯を説明した。岩田社長によれば、最初に意見の相違が明らかになったのは2019年1月15日だった。ヤフーからLOHACO事業譲渡の検討を求められたことだった。

 LOHACO事業は売上高こそ成長が続いているが、事業開始から6年が経過しても黒字化できていない。2019年5月期は宅配運賃の値上げや倉庫火災の影響もあり、2019年1月時点で赤字幅がさらに拡大する見通しだった。

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