米フェイスブック(Facebook)のデジタル通貨サービス「Libra(リブラ)」の責任者であるデビッド・マーカス氏が2019年7年17日(米国時間)、米ワシントンで開催された米下院の金融サービス委員会の公聴会に出席した。“集中砲火”を浴びた前日の米上院銀行委員会の公聴会に続く出席である。

米フェイスブックのリブラ責任者であるデビッド・マーカス氏
(出所:米下院金融サービス委員会の配信映像)
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「イエス・オア・ノー」と議員詰め寄る

 金融サービス委員会の公聴会は、全米の下院議員40人以上が5分間ずつ質問し、4時間以上にわたる長丁場となった。前日の公聴会を受け、より具体的な内容がマーカス氏に投げかけられた。

 マーカス氏は2日連続でまな板の上に載せられた格好だが、ほとんど言いよどむことなく回答を続けた。ただ質問時間が5分と限られるなか、議員から「イエス・オア・ノー」と回答を迫られる場面が多く見られた。

 同委員会のマキシン・ウオーターズ委員長は公聴会の冒頭、「27億人のユーザーがいるFacebookはユーザーデータの保護について失敗を繰り返してきた。(リブラは独立団体のリブラ協会に加盟する)100社のプロジェクトになるというが、これはその1社であるフェイスブックのアイデアだ。我々はこれを信用すべきか」と問いかけた。

下院金融サービス委員会のマキシン・ウオーターズ委員長
(出所:米下院金融サービス委員会の配信映像)
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 また、フェイスブック側がリブラは一元的にはスイス金融当局の規制下にあると認識している点に対して、ウオーターズ委員長は「スイス当局はこの件についてフェイスブックに連絡を取ったことがないと言っている。規制当局に監督する権限がないのにどうコラボレーションするのか」と指摘した。マーカス氏は「リブラが始まる前に適切な規制がなされる必要がある。時間をかけて修正していきたい」と神妙な面持ちで回答した。

準備金の半分はドルに、元は使わず

 今回の公聴会では、リブラの裏付けとなる通貨についての議論が深まった。リブラはドルなどの法定通貨を裏付けとなる準備金として用意して、価値の変動を抑える。価値が変動しやすいビットコインなどに対して、ステーブルコインとも呼ばれる。

 アイ・グリーン議員は「ドルのことが気になる。ドルは世界で好かれ、どこでも使える通貨で、円やユーロなどとも競争している。(リブラは)ドルにどのような影響を与えるのか」と神妙な表情で投げかけた。

アイ・グリーン議員
(出所:米下院金融サービス委員会の配信映像)
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 これに対してマーカス氏は「私たちはドルとは競争するつもりはない。準備金の半分をドルで、もう半分をユーロやポンド、円で用意する」と明かした。中国の元は使わないという。

 今後、米連邦準備理事会(FRB)、主要7カ国(G7)のワーキンググループ、各国金融当局など様々な規制機関やステークホルダーと協議していく考えを示した。

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