NECが事業と従業員のリストラを繰り返した過去から脱却し、成長路線にかじを切ろうとしている。鍵を握るのが人材だ。処遇改善に向けて2019年10月から、若手研究者を対象に新しい報酬制度を採り入れる。新卒でも実績を残せば、年収が1000万円を超えるという。新野隆社長がその真意を語った。

インタビューに応じるNECの新野隆社長
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 新野社長は2019年7月10日に日経 xTECHなどのインタビューに応じた。NECは売上高営業利益率について、2019年3月期の2%から、現在の中期経営計画の最終年度に当たる2021年3月期に5%へと引き上げる目標を掲げている。「これをやり切らないと(再成長に向けた)スタートラインにすら立てない」と新野社長は意気込む。

 再成長に向けて、幾つか手を打ち始めている。1つがM&A(合併・買収)だ。2018年1月に防犯ITを手掛ける英ノースゲート・パブリック・サービシズ(Northgate Public Services)を、2019年2月にデンマーク最大手のIT企業であるKMDの持ち株会社を買収した。2社の買収で、現中計のM&A枠の2000億円を使い切った格好だ。

 M&Aと同様に大切なのが、人材の育成・確保である。まずGEジャパン元社長の熊谷昭彦氏を執行役員副社長に、日本IBMでAI(人工知能)システム「Watson(ワトソン)」の事業責任者を務めた吉崎敏文氏を執行役員に招くなどして、上層部にメスを入れた。

 現場の底上げにも着手した。その1つが前述した、非管理職の若手研究者を対象に導入する報酬制度だ。著名な学会での論文発表といった実績があれば、新卒でも年収は1000万円を上回る見込みだ。新野社長は「グローバルで通用するような報酬体系にしないといけない」と危機感をあらわにする。

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