「機器ごとに操作を覚えていられない!」、介護現場から生まれた電子機器まとめて管理アプリ

2019/07/16 05:00
高橋 厚妃=日経 xTECH/日経デジタルヘルス

 介護施設などを運営する善光会は、介護で利用するロボットや電子機器のデータをまとめるアプリ「Smart Care Operating Platform(SCOP)now」を開発し、介護現場で活用している。さらに2019年7月から外部の施設に提供を始める。

 善光会は、介護サービスの研究開発やコンサルティング機能を持つ「サンタフェ総合研究所」を有しており、その一部である「介護ロボット・人工知能研究室」では介護用のロボットやIT、福祉機器などの研究を行っている。運営する介護施設では、市販のロボットスーツや利用者の動きを察知する電子機器などを積極的に導入し、介護施設のオペレーションを効率化している。全国の介護施設の入居者と介護職員の比率の平均は2:1だが、善光会の場合、2018年度は介護の質を落とさずに2.68:1の割合でオペレーションできたという。こうした知見を外部に提供する。

 SCOP nowは、介護で利用する複数のロボットや電子機器の情報や通知を1つに集約できるアプリ。各ソフトウエアの連携を行うため、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を活用した。

「SCOP now」のイメージ
(出所:善光会)
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 今回連携したのは、(1)トリプル・ダブリュー・ジャパンの排泄予測サービス「DFree Professional」、(2)パラマウントベッドの「眠りSCAN」、(3)キング通信工業の「シルエット見守りセンサ」の3つの機器。これらの機器の通知を1つのアプリで受けられる。善光会は今後、連携する機器を増やす考えだ。介護施設は、SCOP nowを1カ月当たり50円に施設定員数をかけた料金で利用できる。

アプリを開発する背景は?

 善光会がこうしたアプリを開発した背景には、介護現場でロボットや電子機器の導入が進んでいることがある。センサーが施設利用者の排泄を予測したり、睡眠をモニタリングしたり、動きを察知したり、職員が持つスマートフォンなどに状況を配信。職員が利用者の元に駆け付けられるように通知機能も付いている。

 だが、利用する機器の種類が増えると現場が活用しにくい。電子機器1つにつき、1つのアプリやソフトウエアを操作したり確認する必要があるためだ。「新しい機器を導入する度にアプリの操作を覚える必要があった。これからは1つのアプリの操作を覚えればいい」と善光会理事で最高執行責任者の宮本隆史氏は説明する。

右から2人目が善光会理事で最高執行責任者の宮本隆史氏
(写真:日経 xTECH)

 善光会は他にも、介護現場のペーパーレス化を行うため、電子的に介護記録をつけるシステム「SCOP home」の開発も進めており、2019年秋に発売する予定。

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