シチズンが180万円(税別)の光発電タイプのクオーツ式腕時計「ザ・シチズン」を2019年秋に発売する。特長は、電波式とは異なり、「腕時計単体で世界で最も正確な時を刻める」(同社)技術を搭載したこと。高精度に成形した部品を採用することで、年間の誤差(年差)をわずか±1秒に収めたムーブメント「Caliber 0100」を開発した。従来の光発電タイプのクオーツ式腕時計の年差は±5秒と大きかった。

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光発電タイプのクオーツ式腕時計「ザ・シチズン」
年差がわずか1秒という正確さを付加価値に、価格を180万円と高額に設定した。(写真:日経 xTECH)

 歯車とばねを、MEMS(微小電子機械システム)技術の1つであるUV-LIGA(Lithographie Galvanoformung und Abformung;微細構造物形成技術)プロセスで成形した。紫外線(UV)を使ったフォトリソグラフィーで紫外線硬化樹脂製の型を作製。その型を使い、電鋳によって3次元構造の微細な部品を作る。これにより、「三番車」と「四番車」、「五番車」、そして「三番戻し車」の4個の歯車を成形した。このうち、三番戻し車は歯車とばねを組み合わせた構造になっており、ばねの成形にもこのUV-LIGAプロセスを使う。同プロセスは、切削やプレス加工で成形する従来の部品と比べて、高精度で偏芯の小さい部品を作れる。

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部品の加工方法とバックラッシを抑える仕組み
4個の歯車をUV-LIGAプロセスを使って高精度に加工した(左)。バックラッシを抑える部品は三番戻し車(右)。歯車とばねを組み合わせた構造で、ばねの力を利用して歯面を押し付け、バックラッシを片側に寄せる。(出所:シチズン)

 このうち、三番戻し車はバックラッシ(歯車をかみ合わせた際の歯面間の遊び)を抑える、バックラッシ抑制機構の部品。ばねの力で歯車の進行方向と逆の方向に押し付けることで、隙間(バックラッシ)を片側に寄せる。これにより、時計の針のがたつきを防ぐ。

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