「健康に関する情報はバラバラに存在しており、個人の努力で一括して管理するのは限界がある」(神戸市 保健福祉局 健康部 健康政策課 健康創造担当課長で行政医師の三木竜介氏)――。神戸市が2019年4月1日に市民への提供を開始した、個人の健康関連情報を管理できるPHR(Personal Health Record)システム「MY CONDITION KOBE」の利用者が、2019年7月時点で1200人を超えたことが明らかになった(関連記事)。

 MY CONDITION KOBEは、神戸市が保有する健康診断(健診)結果などの「健康データ」と、スマートフォンを介して集積する歩数や食事などの「生活データ」を一括して管理できるのが特徴。データを基に「健康アドバイス」などのサービスを提供して、市民が楽しみながら健康になれるように促す。利用者1200人超の男女比は女性の比率が若干多く、年代別には40歳代以上が約3/4を占める。40歳代以上をターゲットにしており、ほぼ狙い通りに推移している。

MY CONDITION KOBEの全体像(出所:神戸市)
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 MY CONDITION KOBEは、データベースとスマホアプリで構成する。データベース部分は富士通が構築し、スマホアプリはリンクアンドコミュニケーションの「カラダかわるNavi」を神戸市向けに改修した。提供するサービスは、大きく分けて3つある。(1)健診結果や生活データなどの健康状態の「見える化」、(2)データに基づく健康アドバイス、(3)特典と交換可能な健康ポイントの発行、である。

 (1)の健康状態の見える化は、神戸市が所有するデータと、スマホを介して集めたデータが対象になる。神戸市所有のデータのうち、現時点では特定健診が自動で入力される。紙の健診結果をカメラで読み込むと簡単にデータを入力できる機能も搭載している。スマホで集めるデータには、センサーを使って自動で収集できる歩数の他、手動で入力する体重や血圧、睡眠などのデータがある。登録したスプーンと共に食事を撮影すると、スプーンの大きさからAIが自動で食事の内容や量などを算出する機能も備える。多くのデータをスマホの画面で見やすく表示して、自身の健康を把握しやすいようにした。

アプリの画面(出所:神戸市)
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 (2)の健康アドバイスでは、利用開始時に設定した「糖質制限」などのコースや目標体重などに応じて、集めたデータを基に「摂取カロリーが少ないので、もう少し食べても大丈夫ですよ」といった個別のアドバイスが送信される。

 (3)の健康ポイントは、データの入力などにより付与される。外出を促すために、イベント会場などでQRコードを読み込むとポイントを付与する機能も備える。集めたポイントに応じて、協賛企業が提供する商品を抽選などで獲得したり、商品の割引を受けたりすることができる。これらのサービスによって自らの健康状態を把握し、楽しみながら健康になってもらうことを神戸市は目指す。

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