アプリなどソフトウエアを活用して治療するデジタルセラピューティクス(DTx、デジタル治療)の開発を行うキュア・アップ(東京・中央)は2019年7月5日、第一生命保険や森トラストなどを引受先とする、22億円の第三者割当増資を実施したと発表した。今回の資金調達を含めて、これまでの調達額は合計約41.7億円となった。同日、同社がビジネス戦略の説明会を開催した。

 キュア・アップは、DTxの実用化を目指す「医療向けの事業」と、健康増進アプリを企業や健康組合などに提供する「民間法人向け事業」を手掛けている。このうち中核事業と位置付ける医療向けの事業では、ニコチン依存症や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、高血圧向けのDTxを開発している。ニコチン依存症向けは治験を終了して承認申請を行った段階で、NASH向けは臨床研究を実施中、高血圧向けは最終段階の治験の準備を行っている(関連記事)。

説明を行うキュア・アップ社長の佐竹晃太氏(撮影:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 説明会では、キュア・アップ社長の佐竹晃太氏が、今後の売上高の計画について発表した。ニコチン依存症を対象としたDTxは、2020年の実用化を見込んでいる。同社は、DTxや民間法人向け事業を含めて2020年6月期に1億円、2021年6月期に4.5億円、2022年6月期に18億円と計画している。2025年ごろには100億円を超える売上高を目指す。さらにDTxの日本市場について言及し、「ポテンシャルがあると言われるが、もろさもある。どれくらいの保険点数がつくのかがポイントになる。期待できる保険点数がつかないと大きな市場に育たない」と見解を示した。

 説明会では、個別の保険点数がつかない場合にどのようにDTxをマネタイズするのかとの質問が出た。佐竹氏は、「治験で禁煙補助薬と遜色ないくらいの治療の効果を示しているため、評価される(保険点数がつく)という考えを持っている」と前置きした上で、「仮に点数がつかなかった場合は、自由診療の中での事業が考えられる。価値を感じてもらえる方に向けて事業を展開していきたい」と話していた。

 また、製薬企業がDTx開発企業と連携し始めていることを挙げ、「今後は製薬企業とのパートナリングも検討したい」と佐竹氏は話していた。

この先は会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら