ドイツ・ダイムラー(Daimler)は2019年7月、シュツットガルト近郊のジンデルフィンゲンにある技術センター「Mercedes Benz Technology Centre(MTC)」内に、新しい試験施設をオープンした。EMC(電磁環境適合性)やRFアンテナシステムを評価できる試験施設で、約5000万ユーロ(約61億円、1ユーロ=122.4円換算)を投資した。これからの自動車メーカーにとって、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)における通信障害や誤動作の発生は、致命的なイメージダウンになる。ダイムラーは将来の通信システムがさらに複雑化することを予見し、大型の試験研究施設を開設した。

MTCの新しい試験施設
約60億円をかけてEMC試験専用に建設した。(写真:Daimler)
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 クルマの電動化や自動運転、コネクティビティー、カーシェアリングなどの機能が発達するにつれて電磁波解析の重要性は高まっている。様々なEMC測定を効率的にこなし、正しい測定方法で車両アンテナの実性能を迅速に測定するため、新施設には最新の電波残響室が設けられた。クルマから発生する電磁波が車内および車外の各種送受信システムと干渉しないこと、電磁波の乗員への人体暴露を最小化すること、車両機能が外部からの電磁波によって損なわれないこと、アンテナの性能を最大化し受信品質を高めること、などを目標として様々な計測が行われる。また、移動通信サービスの複雑なシミュレーションを実施することもできるので、データ保護に重点を置いたシステムの開発が可能になるという。

EMC試験室
車両の全アンテナで同時に測定が可能。(写真:Daimler)
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