電通グループのマイデータ・インテリジェンス(MDI)は2019年7月3日、情報銀行サービス「MEY(ミー)」の実証実験を始めた。飲料大手や生命保険など外部企業8社が参加する。他の企業からの受注活動も始めた。

 実験は一般から募集した個人会員1万2000人を対象に実施し、本人同意の下で個人データを企業に有償で提供する。データを提供した個人には独自ポイントを対価として支払う。現時点では他社のネット通販のギフト券やスマートフォン決済のポイントに交換して利用する。MDIによれば一般の利用者が広く参加する商用レベルの情報銀行サービスは国内初という。

情報銀行サービス「MEY」のアプリ画面。質問に答えて個人データを登録し、提供してよい範囲も設定できる
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 事業を担当するMDIの森田弘昭執行役員COO(最高執行責任者)は、個人データの金銭価値を顕在化してユーザーにも還元することで、「将来的には個人の生活費を下支えするベーシックインカム(最低所得保障)として活用できるようにしたい」との目標を掲げた。長期的には月間で数万円相当の対価を個人に支払える事業に育てることを目指すという。

 個人データが持つ価値を使って事業を成長させてきたのが、米グーグルや米フェイスブックなどのIT大手だ。ただしユーザーへの還元は検索やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)など、無償提供する便利なネットサービスだった。

 情報銀行は個人が自分のデータで稼げる時代を切り開き、米IT大手に対抗できる個人データの流通圏を作り出せるのか。

精緻な個人データで、企業マーケティングを変える

 電通グループでMEYの事業化を主導したのは、企業の販促活動を支援する電通テックだ。電通テックは2018年9月にMDIを設立。MEYのシステム構築などを担当する電通国際情報サービス(ISID)も25%出資した。

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