コンサルティング会社の米アリックスパートナーズ(AlixPartners)によると、世界の自動車市場は、2018年から2026年にかけて平均の年成長率が1.6%増になる見込みだ(図1)。2010年から2018年にかけての成長率が3%増程度だったことと比較すると、成長の勢いは半分程度に鈍化する。

 鈍化要因について同社は、市場全体の3分の1程度を占める中国で需要が2020年まで大幅に減速することに加え、2番目に大きな市場である米国で2021年まで市場規模が縮小することにあると分析した。

 販売台数が減少するのに加えて、電動化や自動運転といったCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)対策のための開発投資を強いられる状況から、自動車業界は利益率が低下する厳しい時代が続くと見る。

図1 世界の自動車販売台数の見通し
2026年にかけて年率1.6%増で成長する見込み。(出所:アリックスパートナーズ)
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 アリックスパートナーズは2019年6月26日、自動車業界の見通しをまとめた報告書「アリックスパートナーズ・グローバル・オートモーティブ・アウトルック(AlixPartners Global Automotive Outlook)」を発表した。

 同報告書によると、中国における自動車の販売台数は縮小傾向にあるという。2019年は、前年から約200万台落ち込み約2500万になるとの予測だ。景気に対する不安から消費が鈍り自動車の購入が鈍るのが大きな要因と同社は分析する。

 ただ、需要の回復は早く、2020年以降はプラス成長に転じる。2026年には約3100万台と、年率3.6%増で成長すると予測する(図2)。「一桁成長とはいえ中国市場は販売台数が多い。今後もグローバル市場を中国がけん引することは間違いない」とマネージングディレクター自動車・製造業プラクティス東京チームリーダーの川口幸一氏は述べる。

 中でも中国市場では、高級車に対する需要が旺盛なようだ。自動車市場は全体の需要が鈍化するにもかかわらず、中国での高級車の販売台数の成長率は2018年から2026年にかけて年率6.1%増と同社は見込む(図3)。ちなみに、北米や欧州の成長率はほぼ横ばいの見通しだ。

図2 中国での自動車販売台数の見通し
2019年まで販売台数が減少し、2500万台規模まで落ち込む。その後、2020年から2026年にかけては年率3.6%増で成長すると予測。(出所:アリックスパートナーズ)
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図3 世界での高級車の販売台数の見通し
欧州や北米は横ばいとなるものの、中国の需要がけん引役となり、年率6.1%増で成長する。(出所:アリックスパートナーズ)
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