スマートフォン決済の覇権争いが激しさを増している。セブン&アイ・ホールディングスやファミリーマートが新たに参入。ネットと通信、金融、流通の4陣営を軸に、各社は利用者と加盟店の獲得にしのぎを削っている。体力勝負の様相が強まるなか、乱戦のスマホ決済市場を勝ち抜く企業はどこなのか。

 セブン&アイは2019年7月1日、スマホ決済「7pay(セブンペイ)」を始め、全国約2万1000店のセブン‐イレブンで使えるようにした。同10月以降は外部の加盟店での利用も開始する計画だ。

 利用者はアプリで利用登録を済ませ、店頭のPOS(販売時点情報管理)レジやセブン銀行のATMなどでお金をチャージする。あとは支払い時にスマホのセブンペイのアイコンをタップし、画面上に表示されたバーコードをレジで見せるだけで支払いが完了する。

 同じ日、コンビニエンスストア業界で激しいシェア争いを繰り広げるファミマもスマホ決済「FamiPay」を始めた。同サービスのスマホアプリは決済だけでなく電子クーポンなどの機能も備える。ファミマは2020年度中に、アプリのダウンロード数1000万件を目指す。

主なスマートフォン決済事業者と協業関係
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PayPayは赤字367億円

 新たにセブン&アイやファミマが参入したことで、スマホ決済事業者は従来のネット企業系と通信事業者系、銀行などの金融機関系、そして流通事業者系の4陣営が並び立つ構図がはっきりした。各陣営は利用者と加盟店の獲得でしのぎを削る。利用者獲得は大規模な還元策で、人手がかかる加盟店開拓はライバルとの提携で臨む戦略をとる企業が多い。

 利用者獲得で台風の目になっているのが、ソフトバンクとヤフーが共同で手掛ける「PayPay」だ。2018年12月に支払い代金の20%を還元する「100億円あげちゃうキャンペーン」、2019年2月に第2弾の100億円還元キャンペーンを立て続けに実施し、累計登録者数は800万人を超えた。

 大規模還元策は一定の成果を上げた半面、先行投資がかさんでいる。PayPayの2019年3月期の業績をみると、売上収益(売上高)は6億円弱。一方、純損益は367億円の赤字だった。

 それでもPayPayが利用者拡大に向けた投資の手綱を緩める気配はない。同社は2019年6月までに第三者割当増資を実施し、ソフトバンクグループから460億円を調達した。ソフトバンクの宮内謙社長は「徹底的に投資し、競争を勝ち抜いていく」と力を込める。

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