米アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services、AWS)が2019年6月11日、12日(現地時間)に米ワシントンで開催した公共機関向けイベント「AWS Public Sector Summit」で、米国の政府機関や自治体がクラウド利用について講演。米国では公共分野でもクラウド利用が進んでいる実態が明らかになった。

 「当初は25~50%のサーバーをクラウドに移行できると思っていたが、最終的に75%を達成した。我々はやりきった」。講演でこう強調したのは、米アリゾナ州のIT責任者である、モーガン・リードCIO(最高情報責任者)だ。現在アリゾナ州では、飛行機から収集した映像データを分析するシステムをはじめとして、交通関連で511のシステムがクラウド上で稼働しているという。

 クラウド導入の発端は、2011年にアリゾナ州の州都フェニックスを襲った砂嵐だ。データセンターが3日間停止し、交通や医療などの住民サービスが提供できなくなった。これを機にデータセンターの利用を見直すことにした。リードCIOは「知事はITを革新するように求め、クラウドファーストのポリシーを決定した」と当時を振り返る。

講演する米アリゾナ州のモーガン・リードCIO
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 それまではサーバーの購入であれば自動的に承認されていたが、クラウドファーストのポリシーによって担当者に申請させチェックする体制に変えた。「なぜクラウドを使わずにハードウエアを買うのかを逐一確認した。クラウドを使うことによってリスクを減らし、障害に対する冗長性を上げ、顧客である住民に対する信頼性を上げることができた。処理性能も8倍向上した」(リードCIO)。

 クラウドの利用を促すため、クラウドの利点を何度も説明したのに加え、クラウドの専門家を雇用して各部局の担当者を教育していった。「サーバーの管理者にはクラウドの管理者になってもらうなどしたので、誰も職を失うことはなかった。最終的に40年稼働したデータセンターを閉鎖した」(リードCIO)。

 米国防総省もクラウドを積極的に活用している。スペシャルプログラムCIOとして米国防総省のITを支援しているケニス・ボーウェン氏は「クラウドを活用することでその革新性を取り入れられる。人工知能(AI)もすぐに利用できる」と語った。

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米国防総省では従来2~4年かかっていたシステムの更新がクラウドによって2~4カ月になった

 ボーウェン氏はクラウドを採用するきっかけとなった出来事を説明した。6カ月以内に完了すべきITプロジェクトについて、クラウドのチームと従来手法のチームで並行して担当させた。その結果、クラウドのチームは13日間でプロジェクトを完了させたという。

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