東京ガスがベンチャー企業との協業を加速させている。2019年6月13日、ロボット開発のユカイ工学と共同で、ロボットを使った子育て支援サービス「まかせて!BOCCO」を始めた。共働きなどで親が留守にしがちな家庭にロボットを提供し、子どもの世話をする。親がスマートフォンアプリから送った音声やテキストメッセージをロボットが読み上げたり、絵本の読み聞かせをしたり、時間に応じて食事や歯磨きを促したりといった機能を持つ。

東京ガスはロボット「BOCCO」を使った見守りサービスを始めた
出所:東京ガス
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 同年4月25日にはオークファンと共同で通販サイト「junijuni sponsored by TOKYO GAS」を開設。パッケージが変わったり賞味期限が間近になったりして売りにくくなった商品を販売している。

東京ガスは2019年4月にパッケージ変更や賞味期限間近の商品を販売するサイト「junijuni sponsored by TOKYO GAS」を始めた
出所:東京ガス
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 このほかにも、アプリ開発のトライグルと提携し住宅設備や家電などの取り扱い説明書をまとめて提供するアプリ「トリセツ+HOME」をマンションデベロッパーなどに提供しているのに加え、音声コンテンツサービスを提供するオトバンクなどとも協業している。

単純な囲い込みではない

 東京ガスがベンチャーとの協業に注力する背景には、2017年4月に始まった都市ガスの小売り自由化がある。それまでは首都圏を中心に、主に大都市圏で独占的にガス契約を結んできたが、一転して東京電力グループや日本瓦斯(ニチガス)などとの激しい契約争いを強いられるようになった。

 東京ガスの都市ガスの契約数は小売り自由化以降に下落傾向になり、18年12月末以降は大台の1000万を割り込んでいる。19年3月期の連結決算は電力販売増などで増収ながら、営業利益は前年同期比19%減の937億円だった。このままじりじりと都市ガスの契約数が減ることに、東京ガスは強い危機感を持っている。

 この状況を打開する策として注力しているのが、特徴的な技術や製品を持つベンチャー企業と協業し新しいサービスを提供することというわけだ。ただし新サービスによって契約者流出を食い止められるとは考えていないという。「ある1つのサービスだけで多様なニーズを持つ契約者を囲い込めるほど甘くはない」(東京ガスの藤原直彦デジタルイノベーション戦略部サービスイノベーショングループマネージャー)。

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